トヨタ86の買取相場と値引き交渉のポイント
トヨタ86の買取・下取りの価格相場と査定を受ける際のポイントや新車購入時の値引き交渉の進め方などトヨタ86の売買についてディーラーのセールスマンを10年以上経験した執筆者がアドバイスをする。
トヨタ86の下取相場と売却時のワンポイントアドバイス
スポーティーカーの特徴として、他の乗用車よりも長く相場を維持し続けるという場合が多いが、「86」がそれにあたるかは今のところ定かではない。しかし、トヨタとしては乱売を避け、大事に育てていく方針のようなので、大崩れせず、相場を維持していくものと思われる。
車の性格上グレードを問わず、AT車よりもMT車の方が高く、差はわずかにみえるものの、新車時の価格差を考えると予想以上に大きな差になるようだ。また、姉妹車の「スバルBRZ」が「86」を上回る相場になっているのは興味深い傾向である。
販売台数が少ないこともあるが、巷ではスバルブランドの方が評判が良いという事実が、相場に反映しており、いかにトヨタといえども覆すことは難しいでしょう。
数少ないライバルの中で、同クラスと目されるのが「マツダロードスター」。RHT装備ながら「86」と同価格帯に位置する。常に安定した相場であるが、年度落ちが大きいようだ。新型の登場が近いためもあるが、スタイリングの目新しさが重要な同車だけに、新型が発売されるとさらに大きく落ちる可能性もあり、現行車種に限っては「86」の相場の方が高くなると思われる。
しかし、このことは「86」の人気にも影響が出る可能性も無視できない。実際の購入者層はかなり高い「86」だけに、新型の登場で再び「ロードスター」にスポットがあたると、オープンエアを求めるユーザーが中古車の「ロードスター」に目を向けることも予想される。
今後、どうなるかは想像でしかないが、旧「86」の人気が出たのは、買いやすい価格になった中古車が市場に出回ってから。それも改造車のベース車という意味合いが強かった。現行の「86」はそれとは違う使われ方をされているが、当時よりも高性能なチューニングパーツも手軽に手に入ることで、下取り時に大きく様変わりしている個体も多くなりえる。
その場合、ノーマル状態にもどせれば問題ないが、そうでないとディーラー下取りは拒否される可能性があり、大手買取り業者でもノーマルパーツが完全にそろわないと、高値での買取りは困難。売却先の選択肢を狭めることになるので注意が必要でしょう。
下取り参考価格表
車種 グレード | 年式 | 新車価格 | 駆動方式 | 下取り参考相場 |
---|---|---|---|---|
86 G | 2014 | 236.1 | 2WD | 165.0 |
2012 | 236.1 | 2WD | 141.0 | |
86 G | 2014 | 229.5 | 2WD | 163.0 |
2012 | 229.5 | 2WD | 148.0 | |
86 GT | 2014 | 273.3 | 2WD | 196.0 |
2012 | 273.3 | 2WD | 171.0 | |
86 GT | 2014 | 265.7 | 2WD | 201.0 |
2012 | 265.7 | 2WD | 179.0 | |
86 GTリミテッド | 2014 | 290.4 | 2WD | 199.0 |
2012 | 290.4 | 2WD | 179.0 | |
比較対象車種 | ||||
スバル BRZ R | 2014 | 242.5 | 2WD | 172.0 |
2012 | 242.5 | 2WD | 156.0 | |
スバル BRZ R | 2014 | 236.0 | 2WD | 182.0 |
2012 | 236.0 | 2WD | 164.0 | |
マツダ ロードスター | 2014 | 260.0 | 2WD | 183.0 |
S RHT | 2012 | 255.2 | 2WD | 131.0 |
トヨタ86の新車値引情報
値引きという面では期待出来ない車種である。特別扱いされている雰囲気もあり、レクサス店を想像させる。その点、姉妹車の「スバルBRZ」の方が比較的柔軟である。かといって、競合しても値引きを拡大させる期待はできそうもない。唯一の望みは、発売が待たれる「マツダロードスター」の存在。一大ブームメントを起こすのは確実で、販売台数も「86」の比ではないはず。発売を実際に待つのもいいが、「ロードスターの発売を待ってから決めたい」旨の台詞は意外と効果がある。あせらず待つ姿勢を示すことで、相手を動かすことにつながる少しばかり高等戦術になる。
値引き目標額 5~10万円
トヨタ86の特徴とモデルの推移
2012年2月発売。走る楽しさを追及した「直感ハンドリングFR」のコンセプトを実現するために、小型・軽量・低重心・低慣性を特長として企画・開発された小型スポーツカーである。スバルとの共同開発車であり、車両コンセプトやパッケージングの企画策定と内外全体デザインはトヨタが、開発・設計と確認作業はスバルが主導し、生産はスバルが一貫して行っている車種でもある。
3ボックスのクーペスタイルの2ドアボディで、 エンジンを前車軸よりも後方に搭載するフロントミッドシップ方式を採用する。エンジンは低重心と重量配分を追求すべく、富士重工業が開発した水平対向4気筒エンジンをベースに、トヨタの直噴技術を応用した新開発のNA2.0lエンジン。駆動方式はFRとし、6速ATが組み合わされる。
2015年2月に一部改良を行い、電動パワーステアリングの特性変更とボディ剛性の強化を行うなどの改良と装備変更を実施した。同時に内外装のアレンジが施されたカスタムカー「style Cb」を発表した。