ランドクルーザーのカスタム~オンロード寄りに
初代ランドクルーザーは1951年に純然たるオフロードタイプの車として、製造・販売が開始された車になる。その後時代の流れで次第にSUV的な性格を強め、現代にいたっている。
現行モデルは200系になっていて、2007年から市場を継承している。サイズと重量は、全長4950㎜、全幅1970㎜、全高1880㎜、重量2490~2700㎏となっている。
駆動方式はフルタイム4WDで、サスペンションはフロントがダブルウイッシュボーンで、リアがトレーリングリンクリジッドを採用している。
エンジンは1UR-FE 4.6リッター V8 DOHC32バルブ・318ps/5,600rpm・ 46.9kg-m/3,400rpm
、トランスミッションは6速ATを搭載している。
オンロードの走行性を上げる
この手の大型SUVは、大きな瘤や岩をものともせずに走り抜けるためにサスはロングストロークが必要になる。そのため、オンロードでの走りにはやや違和感があることが多い。
このランクルはスポーティーとはいえないが、怖くない程度にワインディングも走ることができる。これはコーナリング時に一番怖さを感じるロールを、スタビライザーでうまく制御しているからで、油圧ダンパーでスタビの作動をオン/オフをしているからなのだ。
コーナーではスタビを働かせ、直線やオフロードでは非作動にすることで、うまくコントロールをしているので、これはいかせておきたい。したがって、サスの強化をするときにはバネの強さよりもダンパーの減衰力、特に伸び側重視のセッティングをすることをおすすめしたい。
ビルシュタインなど数社からランクル用のダンパーが出ている。車高が0~3インチ程度のダウンが、車高調整の範囲になっているものが多い。好みのものを選んで使うことをおすすめしたい。
ボディーの補強もハンドリング上大きな役割を持っているので、前後ともアンダーブレースを入れるなどして、補強をすることをおすすめしたい。
ボディーの動的剛性を高めることは、そのままハンドリングにつながってくるから、満足度の高いカスタマイズができると思う。
スーパーヘビー級を支えるブレーキを作る
2t越えどころかあと300㎏で3tになるこのスーパーヘビー級の車重を制御するためには、やはりブレーキの能力を上げておかないと不安はある。
フルードは別にして、パッドとラインのキットや、ブレンボやエンドレスのキャリパーやローターを中心に、ラインやパッドをセットしてキット化した商品ライナップもある。
各プロショップの考え方で組み合わせなどが決められているが、基本的な考え方としては、耐フェード性の高いパッドと、対向型のピストンを持った高剛性キャリパーとステンレスメッシュで補強をしたラインを使うことで、強力で安定したストッピングパワーを得ることと、フェード・ヴェーパーロックに対する熱対策をすることに主眼を置いている。
どのキットを使うのかであるとか、どのローターとパッドを組み合わせて、それに相性のいいパッドはどれかなどどいうことは、プロショップの方と十分に話し合って決めるといいと思う。
いずれにしても高額な出費になることは間違いないのだが、高性能で信頼感と安心感の高いブレーキを手に入れることは、これほどいいことはないと思う。
さすの強化と動的なボディー剛性の強化、そしてブレーキの強化はパッケージとしてとらえて、同時にカスタマイズすることをおすすめしたい。
ボディーパーツとタイヤ・ホイールでイメージを変える
ノーマルではやや年寄りくさい感覚にも受け取れる外見を、エアロとはいえないボディーパーツで引き締める。
オーバーフェンダーを付けて、エアロっぽいフロントバンパー&リアバンパー、エアロボンネットを組み込んで、エアロサイドステップを付ければかなり引き締まった外見に変身してくれる。
そしてインチアップホイールに扁平率の高い、厚みの少ないタイヤでイメージを完全に固めたい。この場合ホイールはシンプルで、スポークがあまり太くないものを選びたい。ボディーカラーによっては、黒メッキのホイールもいいと思う。
別にローダウンしていなくても、このようなドレスアップは有効なカスタマイズになる。
シートを交換して機能性とビジュアルを高める。
シートは豪華なものがついているのだが、ホールド性を考えると今ひとつになるし、ビジュアル的にも豪華さが優先されるので、ここまでカスタマイズしてきた車には合わない。
これをレカロなどに代表される、スポーツタイプのバケットシートに交換して、しっかりとしたホールド性と、イメージに合ったビジュアルを手に入れたい。できればシーベルトも幅広で、カラフルなものに交換すると、よりビジュアル性は高まる。