シルフィーのカスタム
初代シルフィーはパルサー&プレセアの統一後継車種として、サニーをベースに開発をされて、2000年から発売を開始されていた。当初はブルーバードシルフィーという呼称があったが、その後ブルーバードの冠はなくなり、シルフィーと呼ばれている。
現行モデルは3代目になっていてサイズと重量は、全長4615㎜、全幅1760㎜、全高1495㎜、重量1188~1293㎏となっている。
駆動方式はFFで、サスペンションはフロントがストラットで、リアはトーションビームを全車種が採用している。
エンジンは HR16DE 1.6リッター ストレート4と、MRA8DE 1.8リッター ストレート4 の2機種がラインナップされている。トランスミッションはCVT/5速MT/6速MT を、車種によって使い分けて搭載している。
ファミリーセダンにハンドリングカーの要素を与える
シルフィーは全くのファミリーセダンで、子育てを終えたミドル層をターゲットにしている。しかし、この層にこそ車好きはけっこういるから満足のできる走りではないといえる。
そこでシルフィーを少しだけハンドリングカーにしてしまい、どんなステージでもある程度の満足感を得られるハンドリングカー的な要素を与えたい。そこで、ハンドリングをよくする要素をふたつ盛り込んでいくことにする。
初めに強化サスペンションを組み込んで、ロールスピードを制御しつつ姿勢変化も抑える。バネをあまり硬くしなくてもロールスピードは抑えられるので、ダンパーの伸び側の減衰力を重視したセッティングが、扱いやすく安心感の持てるセッティングになる。
注意点としてはあまり極端なローダウンをさせないことで、サスのストロークはある程度重視したセッティングを目指したい。
次にサスの動きをほぼ設計値通りにするために、動的なボディー剛性の強化をすることになる。リジッドカラーを使い、サブフレームと基本構造のボディーの結合を強化して、ソリッドで一体感のある車体にすることで、目的は達成できる。
これでタイヤが路面をつかむ力は各段に高まり、ハンドリングのレベルはノーマルとは一線を画することができるので、満足度の高いカスタマイズになる。
どんなシーンにでも対応できるブレーキを作る
ブレーキの最大の問題点は、熱対策になる。フェードやヴェーパーロックが起こると、ブレーキユニットが冷えるまでは、問題は解決しない。そのため、かなり怖い思いをしなくてはならず、下手をすると事故につながりかねない。
耐フェード性の高いパッドを使い、高沸点タイプのフルードに交換をして、さらにステンレスメッシュで補強をしたラインを入れれば目的は達成できる。
これでフェードやヴェーパロック対策は十分になるので、かなり安心感は高い。この仕様で気を付ける点は、ラインを強化するために使ったラインの影響で、ペダルの有効ストロークが小さくなることがある。十分になれが必要になるが、爪先の微妙な動きでコントロールできるブレーキは、結構たのしい。
しかしこれだけでは物足りないという方には、対向4ポッドの高剛性キャリパーを使うことをおすすめしたい。対向型のピストンはどんな局面でも、強力にローターを両側から挟んでくれるで、安定したストッピングパワーを得ることができる。このフィールはローターが熱変形でもしない限り続いてくれるので、高い信頼感と安心感を得ることができる。
長いくだりのワインディングなど、ノーマルのブレーキでは酷使というような場面でも、涼しい顔をして使い続けられるのは、ほんとうにありがたい。
動的なボディー剛性の強化とサスの強化、このブレーキの強化はパッケージとしてとらえて、同時にカスタマイズすることをおすすめしたい。
外観をドレスアップ
ここまでやるとエンジンパワーにも欲が出るし、外見ももう少しということになるのだが、外見はあまりいじらずに、インチアップホイールと調扁平タイヤで引き締めることに留めたい。
ホイールはシンプルなスポークタイプがおすすめで、あまりデザイン性の強いものはホイールだけが目立つのでおすすめできない。
エンジンは吸排気系の高効率化と、その仕様にあった燃調を取り直す意味と、空き領域をつかえるようにするためにロムの書き換えをすると、体感できる程度のパワーとトルクを得ることができるのでおすすめしたい。
最後にシートをスポーツタイプのバケットシートに交換して、体のホールドをしっかりすれば、どんな局面でも微妙なコントロールが可能になる。
これで一見するとちょっとローダウンしただけのファミリーカーなのだが、峠などでなめてかかるといおていかれてしまう車にできたと思う。ずっと昔にあったコルティナロータスのような、羊の皮を被ったオオカミの出来上がりになる。