フィアットプントのカスタム~柔らかサスを引き締めて
2013/12/16
1994年にフィアット・ウーノの後継車種としてリリースをされた、2ボックス・ハッチバックタイプのコンパクトカーが、初代プントになる。
現行モデルは3代目になり、ボディイーのタイプは初代と変わらない。サイズと重量は、全長4050㎜、全幅1685㎜、全高1495㎜、重量1150kgとなっている。
エンジンはDOHCストレート4 1368cc 77Ps/11.7kg-m 6000rpm、トランスミッションはATモード付5速シーケンシャルトランスミッション「デュアロジック」を搭載している。
駆動方式はFFで、サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアはトーションビームを採用している。
やはり初期ロールを抑える
最近のドイツ車はややストロークが短めで、最終的にはGブッシュなどで衝撃を逃がす方向性にある。ドイツのように舗装の条件が良ければそれでもいいのだが、イタリアやフランスなどではそうはいかない。
プントもストロークがたっぷりとしたサスペンションが、路面の凹凸を上手く吸収して、乗り心地を確保しているから、アタリは柔らかめのセッティングになっている。
このため、コーナリング初期のロールスピードが意外に速く、大きい。ある程度のロールが来ると、ロールスピードは抑え込まれるのだが、やはり気になる症状ではあるからこれは抑えたい。
強化サスキットを組み込むことになるのだが、パンダと同じようにノーマルの良さを殺さないためには、バネレートはなるべく抑えたい。若干のローダウンを伴うキットで、ダンパーの減衰力に頼ったセッティングをすることが、結果的には速く走れる車になる。
もし、もっとシビアなサスが欲しいのであれば、アバルトのキットをそのまま移植することをおすすめしたい。
動的ボディー剛性を高める
どんな車でもそうなのだが、静止状態のことより、動的な状況下での数値というのか感性は大切になる。ここではサブフレームと基本構造であるボディーの締結度を上げて、ソリッドで一体感のある車体にすることで、ハンドリングのフィールを高めることをお勧めしたい。
リジッドカラーを使うと、簡単に達成できることで、コストパフォーマンスにも優れている。これでサスはほぼ設計値通りに動くので、タイヤは常に最良の状態で路面を掴むようになる。結果的に、ハンドリングのフィールはノーマルでは味わえないほど、良好になり、ドライビングをより楽しいものにすることができるので、お勧めのカスタマイズになる。
もし、これでも足りないということならば、フロントにストラットタワーバーを追加すれば、強烈にガチガチのボディーにすることができる。
ただし、タワーバーだけでは効果は薄れるから、リジッドカラーと併用することをお勧めしたい。
より熱に強いブレーキにする
ヨーロッパの車のサスやブレーキは、アルプスを越えて行き来することを前提にしているから、日本の車よりも基本的には優れているといっても過言ではない。
ワインディングの長いくだりでの使用条件は、小さなコーナーが連続する日本の方が厳しいかもしれないので、これに耐えられるようにすることも大きないみがあるカスタマイズになる。
耐フェード性の高いパッドに交換、高沸点タイプのフルードを使えば基本的な熱対策としてはいいのだが、ステンレスメッシュなどで補強をしたラインを使えば、熱膨張によるペダルフィールの変化がなくなるので、高い信頼感を持つことができる。
もっとストッピングパワーを求めるのだったら、対向4ポッドの高剛性キャリパーを奢ることをおすすめしたい。片押しタイプと違い、どんな状況でもローターを両側から挟み込んでくれるので、そのフィールと効果は素晴らしい。安心してガンガン踏むことができるから、ぜひお勧めをしておきたいカスタマイズになる。
機能性重視のシートに交換
プントのシートは見た目よりはホールド性が優れているが、絶対的に優れているわけではないので、スポーツタイプのバケットシートに交換することをお勧めしたい。
ビジュアル面から言ってもこれはかなり効果的なので、結果的には満足度の高いカスタマイズだといえる。
コーナリング時に体をシートに預けっぱなしにできることは、相当ドライビングに好影響を与えるから、満足度も高くなる。
アバルトのコンプリートカーをまねる
アバルトのコンプリートカーをベンチマークにして、エクステリアに手を加えると、ホットハッチ的な外見にすることができる。
ここまで中身をカスタマイズしてきたから、これをやっておくと外見と中身が一致する仕上がりになるので、満足度は高まる。
アバルトのコンプリートカーを手に入れることもいいのだけれど、こうやって必要な部分を必要なだけカスタマイズすることも、満足度が高まり、愛着も出るのかもしれない。