リッタークラスのコンパクトカー買取相場比較(パッソ・マーチ・ヴィッツ)
2017/03/07
目次
リッタークラスコンパクトカーの買取市場
2016年4月に約6年ぶりにモデルチェンジされて3代目となったトヨタのコンパクトカー「パッソ」は、これまでの直列4気筒の1.2Lエンジンを廃止し、全てダイハツ製の直列3気筒1.0エンジンに絞ったラインナップとなっています。
売れ筋の1.0Lに特化することで他の車種との差別化を図った戦略は見事に成功し、販売台数も前年比3割~4割増と好調に推移しています。
これだけ新車が売れているのですから、中古車市場でも人気があり、その為に買取り相場も良いのではないかと想像してしまいます。
そこで、前モデルのパッソを中心に1.0Lモデルの買取り相場をライバル車と比較してみたいと思います。
どの車種が最も買取り価格が良いのでしょうか。
リッタークラスコンパクトカーの買取相場表
スマホの方は画面を横にしてご覧ください。
(参考)
パッソ1.0X | マーチ | ヴィッツ1.0X | |
---|---|---|---|
新車価格 | 116.5 | 115.4 | 119.7 |
2016 | 73 | 63 | 71 |
2015 | 55 | 50 | 62 |
2014 | 40 | 42 | 57 |
2013 | 35 | 33 | 38 |
2012 | 25 | 27 | 31 |
2011 | 11 | 8 | 24 |
パッソの買取市場
もともとの販売価格が100万円強という低価格車だけに、買取り金額も高いとイメージは持ちにくいのですが、2016年にフルモデルチェンジした現行モデルは、70万円台をキープ。
また、4WD車や上級装備のモーダは、標準モデルの「X」との新車時の価格差以上に高値を付けています。
これは中古車市場において、なるべく装備の充実した仕様が好まれてる現状を反映したものです。
新車では140万円ほどの価格の為手が出なくても1年も経過しないモデルでも、新車のベーシックモデルと同じ価格なら魅力があります。
前モデルも現行モデルが出た後でも極端に値崩れしていないのは、経済性と使いやすさの面において、なんら大きな差がないという認識が中古車ユーザーにはあるからです。
見た目の新しさに惑わせられない賢さが、中古車ユーザーにはあるのです。
それを受けて買取り市場でも、高年式車を中心に高い価格で買取ることが可能となっています。
しかし、ベーシックモデルは5~6年で基本価格は消滅、よほど程度が良くないとデビュー時の2010年式は価格が残らないでしょう。
この型の上級モデル「プラスハナ」も良いのですが、4WDの方が価格は残りやすく、生活の手段として気兼ねなく乗り回すことの出来る、コンパクトカーとしての評価も非常に高いものがあります。
パッソの買取相場表
スマホの方は画面を横にしてご覧ください。
(参考)
1.0X | 1.0X4WD | 1.0モーダS | |
---|---|---|---|
新車価格 | 116.5 | 122.5 | 138.5 |
2016 | 73 | 92 | 102 |
前モデル | X | X4WD | プラスハナ |
新車価格 | 116.4 | 129.4 | 133.7 |
2015 | 55 | 81 | 65 |
2014 | 40 | 58 | 54 |
2013 | 35 | 53 | 48 |
2012 | 25 | 42 | 37 |
2011 | 11 | 29 | 27 |
ヴィッツの買取市場
パッソと同様に排気量1.0L車をラインナップするヴィッツですが、どちらかというと1.3L車の方がお買い得感のあるヴィッツ。
同じ排気量でも現行パッソより燃費がおとり、1.3L車の方が燃費は良いと言う逆転減少も起きてしまっています。
また、ハイブリッド車追加されるなど、パッソよりも上級モデルとしての存在を示しています。
そんな中、1.0L車はもっとも安いモデルという位置付けですが、1.5Lのハイブリッド車と同じボディを持ち、その余裕ある車体が強みとなり、1.0L車の販売比率は今でも高いものがあります。
現行パッソよりやや低い買取り相場ながらも大差ではなく、走行距離などの程度の差で何とでもなる範囲です。
そして前モデルのパッソとの比較では逆にヴっつの方が評価は高く、年式を追うごとにその差は広がります。
通常の走行距離であればパッソのベーシックモデルが難しい2010年式であっても、同等グレードのヴィッツなら十分価格が残るはずです。
今でも、そしてもうしばらくは現行モデルであるというのも、買取り相場に影響しています。
ヴィッツの買取相場表
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(参考)
1.0F | 1.0F4WD | 1.0ジュエラ | |
---|---|---|---|
新車価格 | 119.7 | 144.2 | 126.4 |
2016 | 71 | 101 | 84 |
2015 | 62 | 84 | 71 |
2014 | 57 | 72 | 68 |
2013 | 38 | 59 | 47 |
2012 | 31 | 51 | 40 |
2011 | 24 | 43 | 31 |
マーチの買取市場
マーチの買取り相場はあまり良いとは言えません。
特にベーシックグレードはパッソやヴィッツがまだ十分に価格を残す2011年式でもかなり際どいことになっています。
逆に4WD車の「FOUR」や上級装備の「ボレロ」は、パッソの4WD、「プラスハナ」ヴィッツの「ジュエラ」よりも評価が高く、日産の付加価値のあるモデル造りのうまさが光ります。
スポーツモデルの「NISMO」なども人気があります。
しかし、忘れがちですがパッソ、ヴィッツの1.0Lに対してマーチは1.2L。
動力性能では小さくない差があるのに評価は意外と低いのが現実です。
その理由は新興国で生産されたということのイメージと、開発途上国向けに開発されたチープさがあります。
なので、価格は安くても標準モデルに人気が無く、チープさを払拭させた「ボレロ」「NISMO」などは人気が高くなるのです。
マーチの買取相場表
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(参考)
X | XFOUR | ボレロ | |
---|---|---|---|
新車価格 | 115.4 | 131.9 | 138.9 |
2016 | 63 | 70 | 89 |
2015 | 50 | 55 | 75 |
2014 | 42 | 49 | 64 |
2013 | 33 | 36 | 50 |
2012 | 27 | 33 | 45 |
2011 | 8 | 28 | 35 |
1.0Lクラスコンパクトカー相場比較のまとめ
参考までに、パッソ、ヴィッツ、マーチと同価格帯、新車価格118万円の軽トールワゴン「ホンダN-BOX G」の2011年式の買取り相場を見てみると、何と69万円という金額になっています。
8~24万円の1.0Lコンパクトカークラスと比較してあまりにも大きなリセールバリューの違いに驚きます。
これこそがコンパクトカーに変わって軽トールワゴンが人気となっている証なのです。
中古車市場の評価も同じで、スタイルにも飽きのこない箱型デザインであるのも影響しているでしょう。
そのために、「N-BOX」を始めとした軽トールワゴンの買取り相場は全く下がる気配はありません。
走行性能に特にこだわらず、扱いやすいコンパクトなボディサイズで、それでも室内はなるべく広く、燃費も良くて価格も安い。
そんなコンパクトカーのコンセプトを突き詰めると、軽トールワゴンに行きつき、それを超えることが出来ないのが1.0Lコンパクトカークラスなのです。
軽より余裕のあるパワーなので実用上問題が無い4WDや、軽とは格の違う上級装備グレードに人気が集まるのはうなずけます。
下にこのような軽トールワゴン、上には腸の付く低燃費のハイブリッド車が存在する日本の自動車市場において、1.0Lクラスのコンパクトカーの中古車需要が伸びる要因はなかなかないのですが、「 N-BOX」や「タント」が出現する以前の年式を中心に、売値で40万円から60万円台あたりの手頃な中古車としての主役となっているのはこれらのコンパクトカーなのです。
軽トールワゴン、中でもハイトールワゴンと呼ばれるクラスが、この価格になるのは当分先です。
しかし、確実に訪れるでしょう。