クロスオーバーSUVの買取相場比較(ラッシュ/ビーゴ・ジューク・ヴェゼルほか)
「ラッシュ」は2006年1月にダイハツ「ビーゴ」のOEMとして発売されて以来、大きな変更もないまま現在も販売され続けるクロスオーバーSUV。2013年に5MTモデルを廃止、さらに2014年には2WDをも廃止してグレードを整理しつつ継続販売されています。OEM元のダイハツ「ビーゴ」にモデルチェンジ情報がないため、当然「ラッシュ」も未定。モデルの存続も確定していない状況です。
意外に良いとされる「ラッシュ」の買取相場ですが、実際にはどうなのでしょうか。ライバルの「ジューク」などと比較しながら確認してみたいと思います。
買取相場比較表
車種名 | ラッシュG 4WD | ジューク16GTFOUR | ジムニーシエラ |
---|---|---|---|
新車価格 | 185.8万円 | 241.5万円 | 164.8万円 |
2015年 | 153.0 | 137.0 | 117.0 |
2014年 | 137.0 | 130.0 | 103.0 |
2013年 | 124.0 | 127.0 | 91.0 |
2012年 | 114.0 | 115.0 | 84.0 |
2011年 | 102.0 | 105.0 | 79.0 |
2010年 | 103.0 | 105.0 | 76.0 |
車種名 | トラッシュG 2WD | ジューク15RS |
---|---|---|
新車価格 | 167.8万円 | 160.9万円 |
2015年 | 102.0 | |
2014年 | 98.0 | |
2013年 | 117.0 | 92.0 |
2012年 | 96.0 | 84.0 |
2011年 | 87.0 | 75.0 |
2010年 | 89.0 | 74.0 |
トヨタ ラッシュ
不思議と高い買取相場
基本設計が古く、最新の機種と比較するとミオよりさる「ラッシュ」ですが、日産の「ジューク」との比較では遜色なく、新車価格を考慮すれば上回っているといっていいでしょう。新車では廃止された2WD車の評価も、高いとされる「ジューク」よりも良いようです。
地方部での気軽に乗れるオールらうんだーとしての人気は都市部では想像も付かないほどで、女性、特に高齢者も乗り回す光景が見受けられます。通常のコンパクトカーよりも安心度が高く、車が生活の必需品である地域では、オシャレな新機種よりもわかりやすい機能的なデザインが好評なようです。
とは言え、さすがに10年たてば苦しくなるのは目に見えてます。他にないからの高水準なわけで、ダイハツから新型がリリースされたり、トヨタが万を期して自社開発すれば現行モデルの「ラッシュ」が一気に相場を崩す可能性があります。
日産 ジューク
2WDと限定車が高評価
2010年の発売直後のモデルから、全体的に下取り相場としては高水準で推移しています。1.5Lはタイプにかかわらず良く、1.6Lは4WDが良い反面、FF車が比較的良くない傾向です。毎年限定車が登場し、カタログモデルより設定が多かったり販売台数も上回ることもあり。それぞれの装備内容や価格によって評価は異なりますが、価格が大きく違う限定車は、差額分ほどの下取り価格は望めないでしょう。装備の差がわずかでも、専用ボディーカラーなどの場合は、差別化がハッキリしており高い評価を受けやすい傾向です。
スズキ ジムニーシエラ
老舗の本格SUVは普遍
2007年に三菱が「パジェロイオ」の生産を終了してからは、新車販売において同クラスの本格SUVは「ジムニーシエラ」のみになり、その希少性も影響して下取り相場は高いようです。限定車などは10年落ちでも十分価格が付くほどです。同じように軽自動車規格の「ジムニー」も評価が高く、「シエラ」と同じような相場になるのも注目されます。
2000年に登場したモデル(当時はジムニーワイドという名称で販売)は、さすがに下取り価格は無理ですが、2002年に「ジムニーシエラ」と改名したモデルは、走行距離が少ないなど程度さえ良ければ可能性があります。
今後モデルチェンジもしくは新機種への交代も予想されますが、現行モデルのような本格的SUVというよりは、ブームになりつつあるコンパクトクラスのクロスオーバーSUVになる可能性が強く、希少性のある現行モデルの相場は今後も維持されるでしょう。
ホンダ ヴェゼル
買取相場はこれから確実に高く評価される予感
2013年12月にデビューした「ヴェゼル」の下取りに関しては、まだ出そろっておらず、相場は確定していません。また、同クラスのライバルであるマツダの「CX-3」、トヨタの「アクアX-URBAN」、スズキの「SX4S-CROSS」も同じ状況です。しかし、少ない事例を見る限りではかなり高い相場であることがうかがえます。150万円から200万円前後のFFモデルでは初期の値落ちも少なく、新車の販売が好調なこともあり下取り相場も期待出来ます。
新車ユーザーよりもコストパフォーマンスに厳しい中古車ユーザーの評価はより鮮明になると見られ、価格の高いハイブリッド車や4WD車よりも高い評価も受ける傾向にあります。
我が世の春はあと少し
SUV、もしくはクロスオーバーSUVというレッテルが貼られれば高い買取金額が可能な状況はもう少し続きそうです。特に1.5Lクラスは市場に出回っているのが「ラッシュ/ビーゴ」と「ジューク」ぐらい。しかも「ジューク」のほとんどが2WD車ですから、4WDでは2ドアの「ジムニーシエラ」しかないのですから。
しかし、今後は新車市場に次々と登場した次世代型コンパクトクラスのクロスオーバーSUVが買取市場に流れ込んでくることが予想され、状況が一変、供給過多になる可能性もあります。そうなるとまともに比較され、古い「ラッシュ/ビーゴ」は不利になるでしょう。特に軽の「ハスラー」は、「ラッシュ」の得意とする地方部や女性に人気があり、徐々に中古車市場に出回っているので注目されます。