クロスオーバーSUVの買取相場比較(RAV4・CR-V・ハリアー)
「RAV4」は乗用車ベースのクロスオーバーSUVの先駆となった車種で、現行モデルは2005年にデビューした3代目。前モデルよりもボディサイズが拡大され、海外市場をより強く意識した内容となっています。エンジンは直列4気筒2.4Lで、現在のグレード構成は「STYLE」のみのモノグレードに集約されFFと4WDを設定しています。
発売から10年目になる長寿モデルであり、2013年には4代目モデルが発表されましたが、北米や韓国向けでの販売のみで、日本国内では販売されていません。現在クロスオーバーSUV市場は再び活気を取り戻しつつあり、各車が新型車種を投入しています。しかし、トヨタでは「ハリアー」とそれ以上の大型SUVである「ランドクルーザー」シリーズしかなく、「RAV4」が唯一の小型SUVとして生き残っている要因でもあります。
それでは買取相場はどうなっているのでしょうか?。クロスオーバーSUVを始めとして相場が高いとされるSUVの例にもれず良い相場なのでしょうか、あるいはその低迷する新車販売を反映して、買取相場も低くなってしまっているのでしょうか。ライバルとの比較を交えて検証してみましょう。
買取相場比較表
車種名 | RAV4 スタイル Sパッケージ4WD | CR-V 24G 4WD | ハリアー240G 4WD |
---|---|---|---|
新車価格 | 239万円 | 263.8万円 | 273.0万円 |
2015年 | 158.0 | 208.0 | |
2014年 | 152.0 | 183.0 | |
2013年 | 149.0 | 157.0 | 209.0 |
2012年 | 139.0 | 155.0 | 187.0 |
2011年 | 108.0 | 135.0 | 160.0 |
2010年 | 98.0 | 95.0 | 140.0 |
車種名 | RAV4 スタイル Sパッケージ2WD | CR-V 20G 2WD | ハリアー240G 2WD |
---|---|---|---|
新車価格 | 219.0 | 238万円 | 249万円 |
2015年 | 166.0 | 205.0 | |
2014年 | 148.0 | 180.0 | |
2013年 | 134.0 | 159.0 | 186.0 |
2012年 | 116.0 | 158.0 | 166.0 |
2011年 | 105.0 | 137.0 | 143.0 |
2010年 | 95.0 | 106.0 | 125.0 |
トヨタ RAV4
水準以上の評価もライバルを下回る
新車の売れ行きとは別に、クロスオーバーSUV人気と知名度のおかげで、下取り価格は高いものの、同クラスではトップレベルとは言い難い。しかし、買取市場ではこの価格帯のクロスオーバーSUVは数自体も少なく、「 RAV4」最も数の多い車種でもあります。そのため2005年のフルモデルチェンジ直後のクルマでも、高い下取り価格が望めます。
2WDと4WDの差は、新車時の価格差以上に差はないようで、2WDでも中古車市場で人気がある車種といえます。女性にも受け入れやすいほどほどのSUVが使い勝手と相まって、幅広い層に売ることが可能なことが中古車でも需要が多い要因となっています。
しかし、トヨタの主力クロスオーバーSUVである「ハリアー」や、ライバルのホンダ「CR-V」との比較では下回り、さすがに比較されると古さが目立つようです。しかし、車両価格の差が大きいので、一概に「ハリアー」「CR-V」の方が上という事にはならないでしょう。
次期モデルが表に出始めると、その評判次第ではありますが、下取り相場にも影響が出始めます。基本査定価格が大きく下がることは無いものの、10年間販売された車種だけに保有台数もかなりの数があり、ほとんどがまだ現役ですから、買い替えで現行モデルが大量に市場にでまわわると、一気に供給過多に陥る恐れがあります。
同車で本格的オフロード走行を楽しむ人は少ないでしょうが、社外パーツなどで改良を加えていたら、ディーラー下取りは諦めた方がいいでしょう。その手のオフロード専門店での買取りをお勧めします。
ホンダ CR-V
現状では RAV4より上の評価
乗用車ベースの手ごろな価格のSUVとして一大ブームを引き起こしたのが1995年に発売された初代。さすがに初代の相場は難しいのですが、2001年に発売した正常進化型の2代目モデルはちょうど10年前の2004年式でも基本の価格はしっかりとあります。もちろん走行距離が延びがちなSUVであるので、程度次第ではありますが期待はもてるでしょう。
現行モデルも、新車の販売が低迷しているのにかかわらず、SUV人気のおかげで高値を維持しています。クロスオーバーSUVなので、FFも4WDも差はほとんどなく、現行モデルから登場した2.0Lの方が値落ちが少ないのは最近の流れ通り。対「 RAV4」として比較しても上回っており、現行モデルは常に20~30万円の差を付けていますが、車両価格の差を考えると当然の結果でありますが、もう一つのライバル「ハリアー」の人気が際立ちます。
トヨタ ハリアー
クロスオーバーSUVとしてもトップクラスの評価
現行モデルは「 RAV4」と比べ物にならないほどの上級モデルとして一般に認知されていますが、ガソリン車は「 RAV4」と同じ2.4Lで、同クラスと言えます。特にここで取り上げる前モデルは価格帯も近いので、比較する上では志向の指針になります。
結果から言うと「ハリアー」の買取相場が「 RAV4」のそれを大きく上回っています。新車時の販売価格の差を加味しても結果がかわることはないようです。新車中古車を問わず、ユーザーが求めるクロスオーバーSUVの姿をより忠実に体現させたのが「ハリアー」で、「 RAV4」はまだその辺りが十分でなく、オシャレ感が足りないという事でしょうか。
何よりも身内の新機種び影響を受ける
クロスオーバーSUVというクラスはブームでなくても高い相場をつけるのですが、比較対象となる車種があるとどうしても古いモデルは不利になります。トヨタでは「RAV4」と同じ排気量クラスに「ハリアー」という人気車種があることが相対的に相場を下げることになったようです。現時点では「RAV4」より良い相場の「CR-V」も、今後「ヴェゼル」が買取市場に出回ると、同じように影響を受けることになるでしょう。