パッソなどコンパクトカーの買取相場比較(ヴィッツ・フィット・ミラージュ)
「パッソ」は、トヨタとダイハツとの共同開発による車種で、5人乗りの1.0Lと1.3Lのコンパクトハッチバック。「パッソ」の主なターゲットを女性に絞って開発されています。近年ではミニバンや軽自動車がクローズアップされがちですが、コンパクトカーは今でも中古車市場で需要が多いクラスです。特にトヨタ製のコンパクトカーである「パッソ」や「ヴィッツ」は数多く流通しています。
それではこれらコンパクトカー、中でも1.0L車がメインとなる車種の買い取り相場はどうなっているのでしょうか。「パッソ」と「ヴィッツ」というトヨタの代表的な車種を軸に比較検証してみましょう。
買取相場比較表
車種名 | パッソ1.0X | ヴィッツ1.0F | ミラージュ1.0M |
---|---|---|---|
新車価格 | 116.4万円 | 119.7万円 | 113.1万円 |
2015年 | 82.0 | 84.0 | 45.0 |
2014年 | 55.0 | 66.0 | 40.0 |
2013年 | 45.0 | 55.0 | 38.0 |
2012年 | 38.0 | 53.0 | 36.0 |
2011年 | 30.0 | 42.0 | |
2010年 | 25.0 | 36.0 |
車種名 | パッソ1.3 プラスハナ | ヴィッツ1.3ジュエラ | フィット13G |
---|---|---|---|
新車価格 | 148.6万円 | 147.7万円 | 120.4万円 |
2015年 | 95.0 | 105.0 | 92.0 |
2014年 | 68.0 | 92.0 | 78.0 |
2013年 | 58.0 | 61.0 | 69.0 |
2012年 | 51.0 | 58.0 | 56.0 |
2011年 | 41.0 | 48.0 | 48.0 |
2010年 | 33.0 | 41.0 | 37.0 |
トヨタ パッソ
コンパクトカーとしては平均ながらも同じ1.0Lのヴィッツには差が
「パッソ」の下取り相場はけっして高いとは言えなませんが、車両価格の低さを考えればこのクラスとしては平均値と言えます。しかし、2010年式で比較すると同時期にデビューした「ヴィッツ」を下回り、このあたりは車種の人気に左右されていると言えるでしょう。「パッソ」にはボディカラーが多種類用意されているので、カラーによって査定の価格が変わることもあるようです。女性に人気が高く、車内の清潔度も買取の査定時での重要なポイントとなるようです。
買取市場では「1.0X」が多く出回っているようですが、1.0Lというのは微妙なクラスで、一つ上の1.3L車とは価格も燃費もほとんど変わらず、それでいて、低価格設定のため、装備などがどうしても貧弱で、装備アップすると1.3L車より高額になってしまうジレンマを抱えているクラス。また、圧倒的な相場の差があるはずの「ミラージュ」にも、2012年には並ばれるのは意外です。
1.3L車では「ヴィッツ」「フィット」に差を付けられています。特に価格の低いグレードの「フィット」には2014年式からすでに差が付き始めているのは大きいと言えるでしょう。
パッソの下取り相場と値引き交渉のポイント
トヨタ ヴィッツ
パッソを上回る相場、しかしフィットにはかなわず
下取り相場は、コンパクトカーとして平均的な価格で、けっして相場は低くなく、「パッソ」よりはやや上というレベルだ。もちろん「ミラージュ」よりは確実にいいのですが、「ミラージュ」の相場が低すぎるののも注目される点です。1.3L車での現行モデルの「フィット」との比較では、大きな差が付いてしまいますが、前モデルとの比較ではそん色はないようです。また、排気量による差もほとんど感じられず、新車時の価格差以上に人気などの差はない様子。
「パッソ」が女性ユーザーに絞った車造りをしたことにより、購買層が狭まっているのに対し、「ヴィッツ」は男性ユーザーにも好まれ、1.5L車まで設定するなど、幅広い層をターゲットにすることが出来る為、中古車においてもあらゆるユーザーに向けて販売出来るため、需要は大変多い車種と言えるでしょう。
しかし、現行モデルの「フィット」に対しては分が悪く、20万以上割高な「Hana」であっても1年で同額となり、その後は差が開く一方となっています。1.3Lという同じ土俵では勝負にならないといったところで、やはり「ヴィッツ」は1.0Lが強いと言えます。
三菱 ミラージュ
新車で振るわず中古車でも人気薄
新車の販売成績を見てわかる通り、人気車種とは言えないのが「ミラージュ」。同車の名前を聞いて「懐かしい」と思われる人が多いように知名度は抜群。しかし、同時に「まだ売っていたの?」という声もあるほど現行車種の存在感は乏しい。中古車市場においても、「軽?」と思われてしまう事も。実際には「パッソ」に負けないボディサイズと室内空間を持っているのに、見た目がチープで いっしょに並べられていると軽の方が立派に見えてしまう。
そんなこんなで、買い取り相場は同じ1.0Lの「パッソ」「ヴィッツ」には大きな差を付けられており、「ミラージュ」の中古車を欲しいというユーザーは極めて少ない。そのことで、中古のコンパクトカーを検討している人にはお買い得かも知れないが、流通量も非常に少ない。それでもデビューした2012年式の価格は「パッソ」と並ぶが、3年落ちでこれ以上は下げられないという事情からだろう。もし、もう1年古いモデルがあったなら間違いなく一桁台になっていたはず。ちなみに新設定された1.2L車も大きな変化は期待できない。
ホンダ フィット
現行モデルには敵なしか
大人気車種だけに、他車種と比較すると「フィット」の相場の高さがわかる。1.3Lの「フィット」の本来のライバルは、日産の「ノート」やマツダの「デミオ」であるが、それらと比較しても高い買い取り相場を示しており、特に現行モデルは主力機種が「アクア」と対峙する「1.5Lハイブリッド」であり、共通ボディの1.3L車も質感が向上し、「パッソ」よりもクラス上の車種として認知されている。
中古車で買いやすくなったコンパクトカー
中古車でも多く流通するコンパクトカーではあるが、買い取り相場は下降気味。最大の原因は軽トールワゴンの台頭である。現在買い取られる軽トールワゴンの多くは2010年式以降のものが多く、燃費では当然のことながら、装備もインテリアの質も「パッソ」以上と言って過言ではなく、室内スペースも同等以上。新車ユーザーよりもコスト意識の高い中古車ユーザーは、間違いなく軽トールワゴンを選ぶ。したがって、同じ2010年式では2.5倍以上の価格で買い取れるのである。
現在高値の軽トールワゴンよりも、中古車なら程度のいい「パッソ」や「ヴィッツ」などのコンパクトカーが、お海道になったのはユーザーにとっては嬉しいのだが。