キャブオーバー商用バンの買取相場比較(ハイエース・NV350キャラバン)
「ハイエース」は商用車ですが、かなり高い査定額がつく車です。自営業を始めるには、事務所探しよりもまず「ハイエース」の中古車を手に入れることから始めるようです。何でも詰める広い荷室はあらゆる業種に対応出来、事務所代わりにも、乗用としても利用できます。場合によっては寝泊りだって十分可能です。
需要があるということは買取価格にも反映されて、そのため、程度の良い中古車はかなり高い販売価格を付けていても売れるようです。 耐久性にも定評があるので、乗用車では敬遠されがちな10万キロオーバーの車でも問題なく買取されます。
国内にはもう一車種、キャブオーバーバンがあります。日産の「NV350キャラバン」です。「ハイエース」とともに日本の物流やあらゆる商売を支えてきた車です。そこで、この2車種を買取りとゆう面から比較することにしました。両車ともに膨大なボディタイプやエンジン設定があるため、比較表では個人オーナーに人気のある「ハイエースバンスーパーGL」と「 NV350キャラバンプレミアムGX」を抜粋して掲載しています。
買取相場比較表
車名 | ハイエース バン | ハイエース バン | NV350 キャラバン | NV350キャラバン |
---|---|---|---|---|
仕様 | スーパーGL2.0ガソリン | スーパーGL3.0ディーゼル | プレミアGX 2.0ガソリン | プレミアGX2.5ディーゼル |
新車価格 | 264.4 | 326.0万円 | 249.6万円 | 306.4万円 |
2015年式 | 203.0 | 220.0 | 194.0 | 241.0 |
2014 | 210.0 | 228.0 | 184.0 | 235.0 |
2013年 | 209.0 | 220.0 | 188.0 | 230.0 |
2012年 | 177.0 | 237.0 | 190.0 | 227.0 |
2011年 | 168.0 | 229.0 | 116.0 | 129.0 |
2010年 | 167.0 | 187.0 | 99.0 | 124.0 |
2009年 | 134.0 | 166.0 | 70.0 | 94.0 |
NV350 キャラバンは2012年6月にフルモデルチェンジされているため、2011年以前は前モデルの「スーパーGX」の価格を掲載しています。
トヨタ ハイエースバン
市場を独占しているからこそ可能な高値
比較する相手が日産の「NV350キャラバン」のみですが、ハイエースが長年にわたって築いてきた実績は不動のもので、中古車を探す場合も「この大きさの商用バンで・・・」と言うよりも「ハイエースで」となるのが普通。多くの機種がありますが、商用オンリーならガソリンのDX、ディーゼルの評判が良く法人需要では中心となっていて、流通量も多いので中古車としては比較的購入しやすいようです。また、個人事業者はディーゼルのスーパーGLが人気となっていて、値落ちも非常に少なく7~8年落ちでも100万円を超える高値の相場です。
しかし、商用ゆえに相場の基本となる状態を保っている個体は皆無。かなりのマイナス査定を覚悟しなければならない。また、使用年数ももちろんだが、走行距離を気にして使用しているはずもなく、そうとうな距離を走っているケースがあると思われます。それでも十分な価格が付くのがこの車種のすごさだ。
リセールバリューは間違いなくAクラス。このキャブオーバーバンのクラスというより、乗用車を含めてもそうである。価格は意外に高いが、値落ちが少なくしかも稼いでくれるのだから果報者である。
比較表でもわかる通りに、年度ごとに同じ割合で変化するのではなく、かなりバラバラ。これは個体によって程度に大きな差があり、乗用車のように、「このクルマのこの年式なら相場はこのくらい」と言い切れないのがこのクラスの特徴。1、2年くらい新しめの年式よりも走行距離が少ない方が高い価格で買い取られるケースが多いのです。
日産 NV350キャラバン
どうしても届かないハイエースの壁
「NV350キャラバン」の買取相場を語るには「ハイエース」との大きな差額についてが全てになりそうだ。現行モデルは2012年にモデルチェンジされ、一新されたエクステリアと、パワーユニットで、それまで差を付けられていた商品力を向上。長年のライバルでもあるハイエースを全ての面で圧倒したはず。確かに新車販売も上向いて、以前より多くみかけるようになった。実際に個人オーナーの評判も良いようです。
ところが買取り価格はというと、前モデルほどではないものの現行モデルでも差が出ている。この結果は「ハイエース」と「NV350キャラバン」の知名度の差にしてはあまりにも大きい。中古車でこのクラスを購入するユーザーにとっては、「ハイエース」を探しているはず。仕事仲間が「ハイエース」に載っていれば、おのずと「自分も」となるのは必至。
一方「NV350キャラバン」の中古を探すのは恐らく旧「キャラバン」ユーザー。その数は新車のは販売台数に比例し、8対2だ。これではいくらたっても需要は延びず、したがって供給する側の買取現場でも高い値はつけられない。このような状況を改善するには、現行モデルの販売を加速していくしかないのだろうか。
旧「キャラバン」からの根強いファンもいる。建設業の現場ではなぜか「キャラバン」が多い。チャラチャラした乗用車っぽい「ハイエース」が嫌いな男の仕事場だ。しかし、ここにもオシャレな「ハイエース」が食い込んでいる。「ハイエース」とは異なるメッキギラギラ意匠の「NV350キャラバン」が支持されれば、今後増えるであろう中古車でも人気が出そうではある。
もうひとつの需要先、海外
「ハイエース」は「ランドクルーザー」に次いで海外からも需要が高い車です。東南アジアや中東、アフリカ諸国からの需要が多く、日本国内の買取業者もそのような海外からの需要を狙って、 輸出目的で買取することも多いです。国内と比べて海外ではハイエース自体がほとんどなく、日本からの中古車の輸入にたよっているのが現状です。10万20万キロオーバー、10年落ちでもも買取り価格が付くケースは多いようです。廃車覚悟の場合でも諦めないで色々な買取業者に査定してもらうことが一番確実です。一括査定を利用すれば確実でしょう。