スペーシアカスタムとライバル車の買取相場比較(タントカスタム・N-BOXカスタム・デイズルークスハイウェイスター)
2015/06/06
買取市場ではスーパーハイトワゴンと呼ばれる背の高く、スライドドアを装備した車種は、好調な新車販売を背景にして中古車市場でも需要が高く、買取相場も高値を維持しています。特にカスタム系と呼ばれる上級装備車は人気で、中古車市場でも高い価格で販売されていて、実際によく売れるようです。
そこで、この軽スパーハイトワゴンのカスタム仕様をスズキ 「スペーシアカスタム」を軸に、買取という観点から比較することにしました。新車販売の影響は買取金額にも反映されているのでしょうか。
目次
買取相場比較表
現行モデル | スペーシアカスタムTS | スペーシアカスタムTS 4WD | タントカスタムRS | タントカスタムRS 4WD |
---|---|---|---|---|
新車価格 | 155万円 | 166.2万円 | 150.4万円 | 162万円 |
2015年式 | 106.0 | 114.0 | 112.0 | 116.0 |
2014年 | 97.0 | 105.0 | 107.0 | 111.0 |
2013年 | 93.0 | 100.0 | 105.0 | 109.0 |
前モデル | パレットSW TS | パレットSW TS 4WD | タントカスタムRS | タントカスタムRS 4WD |
新車価格 | 149.5万円 | 159.8万円 | 155.2万円 | 166.7万円 |
2012年 | 79.0 | 90.0 | 87.0 | 102.0 |
2011年 | 69.0 | 80.0 | 74.0 | 89.0 |
2010年 | 64.0 | 74.0 | 68.0 | 83.0 |
2009年 | 62.0 | 73.0 | 62.0 | 75.0 |
車種名 |
N-BOXカスタムG ターボP |
N-BOXカスタムG ターボP 4WD |
デイズルークス ハイウェイスターT |
ルークス ハイウェイスターT 4WD |
---|---|---|---|---|
新車価格 | 160.9万円 | 172.3万円 | 165.2万円 | 153.0万円 |
2015年式 | 122.0 | 135.0 | 116.0 | |
2014年 | 117.0 | 127.0 | 113.0 | |
2013年 | 111.0 | 122.0 | 83.0 | |
2012年 | 106.0 | 117.0 | 77.0 | |
2011年 | 103.0 | 113.0 | 67.0 | |
2010年 | 60.0 | |||
2009年 | 60.0 |
スズキ スペーシアカスタム
クラス全体の高い買相場も、ライバルには差が付く
「スペーシアカスタム」となった現行モデルは、安全装備を充実させた最新バージョンこそ評価は高いものの、「タント」「N-BOX」に差が出ている。ベース車の「スペーシア」の比較では僅差だったが、車両価格の高い「カスタム」のターボモデルでははっきりと差が出た。それでも「タントカスタム」とは価格差のためとも言えるが、「N-BOXカスタム」には大きな差が明白だ。これは「スペーシアカスタム」の買取相場が低いということではなく、「N-BOXカスタム」が良すぎることに他ならない。
前モデルとなる「パレット」は、「タントカスタム」と比較しても低いということはないが、「N-BOXカスタム」には年式が遡るにつれ大きな差を付けられる。軽スパーハイトワゴンクラスにおいてはダイハツに次ぐキャリアを持つスズキだが、このクラスでは完全におくれをとっている。
ダイハツ タントカスタム
古くなるほど「N-BOX」には大差を付けられる
ユーザーへの浸透度も高く、クルマに詳しくない人でも知っているほど知名度は高い。「ミラクルオープンドア」は子育て中の主婦層には圧倒的な人気のキラーアイテムである。ライバルの「スペーシアカスタム」「デイズルークスハイウェイスター」とはほぼ同じか、やや高い買取相場だが、新車販売での差ほど買取り相場では差が出ていない。しかし、「N-BOXカスタム」には届かず2011年式では20~5万円ほどの大差が付いている。中古車市場では若いユーザーも多く、女性的、主婦的な印象のある「タントカスタム」「スペーシアカスタム」よりも、もともと若い男性層にも人気のあるスポーティーな「N-BOXカスタム」の需要が多いようだ。
ホンダ N-BOXカスタム
新車同様に買取相場でも当分リードは続きそう
「N-BOXカスタム」も登場から4年がたつモデル。現状でもその人気は衰えません。全ての乗用車の中で最も値下がりの少ない車種でしょう。まだフルモデルチェンジを行っていない現行車種であることが、年度が古いほど相場が良い理由と思われます。燃費が良くないというデメリットも、独自のパッケージングによる多彩なシートアレンジは現在でもライバルの追随を許さず、中古車でも十分満足できる内容であることが、高い価格でも選ばれる要因でしょう。
懸念材料があるとすれば、フルモデルチェンジが迫っている事。今でもこれだけ売れている同車のフルモデルチェンジでは大量の乗り換えが発生し、今まで以上の買取が発生し、在庫がダブ付くことが予想されます。しかも高い価格で買い取られるので、さすがにその状況によっては一気に下落せざるを得ないことに。今後は手放すタイミングが重要になるでしょう。
日産デイズルークスハイウェイスター/三菱 ekスペースカスタム
クラス平均の相場、評価はこれから
軽スーパーハイトワゴンクラス最後の参加者となった日産三菱連合軍の「デイズルークスハイウェイスター/ekスペースカスタム」。まだデビューから間もなく、評価はこれからだろう。今のところ他社ライバルとの比較でも差はなく、スーパーハイトワゴン全体の高評価を享受している状況。「デイズルークスハイウェイスター」に限っては、「ライダー」の存在もあり、「ハイウェイスター」の特別感が薄れるという問題がある。
「デイズルークスハイウェイスター」は「ルークス」が前モデルとなるが、こちらはOEM元のスズキ「パレット」と同額で、「N-BOX」よりはかなり下回っている。
「ekスペースカスタム」の買取相場は「デイズルークスハイウェイスター」に準じているとみられますが、その知名度は低く実際の買取現場では「デイズルークスハイウェイスター」に多少の差があると見ていいでしょう。
N-BOXカスタムの異常人気はどこまで
カスタム系を含めた軽スーパーハイトワゴンクラスの買取り相場は、全体的に高値で推移しており、これらのオーナーにとって次の代替時に極めて心強い愛車といえるでしょう。中でも高い人気を誇る「N-BOXカスタム」はブランド力が絶大で、ここまでくると不動の人気相場といっていいでしょう。
ただ、これからはダイハツ「ウェイク」やスズキ「ハスラー」のような新しいハイトワゴンが登場したことで、市場全体の構図が変化する可能性もあります。
結論としてはカスタム系の軽スーパーハイトワゴンの買取相場は、新車の人気同様に当分はクラス全体として高い水準が続くでしょう。