高級セダン買取相場比較(クラウンロイヤル・アスリート・フーガ・アコード)
2015/06/02
国内の高級車試乗を独占している「クラウン」シリーズ。大幅値引きの必要もない状況なので、買取価格も高いことが容易に推察されます。しかし、国内のセダン市場は大きく減少しており、「クラウン」シリーズの独占状態にあるミディアムクラスでも景気の影響を受けざるを得ない。そこで比較対象車種との比較を通じて、ここ8年分の買取相場を振り返り最新の相場と今後を検討してみたいと思います。
高級セダン買取相場比較表
車種名 | クラウン2.5ロイヤル | クラウン2.5アスリート | クラウン3.5アスリートG |
---|---|---|---|
新車価格 | 336.1万円 | 340.0万円 | 547.6万円 |
2014年式 | 283.0 | 252.0 | 383.0 |
2013年 | 223.0 | 251.0 | 354.0 |
2012年 | 207.0 | 235.0 | 216.0 |
2.5ロイヤルサルーン | 2.5アスリート | 3.5アスリート | |
新車価格 | 350.4万円 | 356.1万円 | 463.8万円 |
2011年 | 179.0 | 209.0 | 196.0 |
2010年 | 132.0 | 144.0 | 168.0 |
2009年 | 116.0 | 135.0 | 155.0 |
2008年 | 101.0 | 122.0 | 141.0 |
車種名 | フーガ2.5GT | アコードハイブリッドEX | クラウンハイブリッドアスリートG |
---|---|---|---|
新車価格 | 411.8万円 | 371.4万円 | 517.1万円 |
2014年式 | 251.0 | 263.0 | 391.0 |
2013年 | 221.0 | 370.0 | |
Gパッケージ | |||
新車価格 | 590.4万円 | ||
2012年 | 206.0 | 250.0 | |
2011年 | 184.0 | 229.0 | |
2010年 | 167.0 | 214.0 | |
2009年 | 103.0 | 176.0 | |
2008年 | 93.0 | 164.0 |
トヨタ クラウンロイヤル
買取相場は順調
先代モデルから現行モデルにかけて、買取り相場は高い水準を維持している。現行モデルはダウンサイジングされ、トヨタの最高級車種というブランドイメージが無くなり、「アスリート」系の下位モデルとして認識されつつあるため、買取り相場に不安はあったが、実際にはハイブリッドに代表されるクルマそのものが評価され、相変わらず評価は高い。
先代モデルは現行モデルとエクステリアなどが、フロントグリル以外はキープコンセプトのデザインのため、古くささが感じられず、保守的なユーザーが多いので、「クラウン」らしさのあるグリルデザインなどがかえって評判がいいぐらいだ。それでも「アスリート」び差を付けられてしまうのは、トヨタの姉妹車特有の悩み。どうしてもスポーティーなルックスの方に人気が出るのは「アルファード」「ノア」そして「プレミオ」とそれぞれの姉妹車との人気の差に共通する。
トヨタ クラウンアスリート
ロイヤルを引き離す人気は買取りでも健在
新車販売においては、需要が低迷しているといわれるプレミアムセダン市場では独り勝ちの状態である。買取り相場でも相変わらずの優等生振りを発揮しており、年式を問わず高い相場を維持している。前モデル、前々モデルでもそれは変わらず、年式が遡るほど「日産フーガ」との差は広がる。ロイヤルシリーズにも明らかに差を付けているようで、クラウン人気を「アスリート」がけん引している状況が鮮明になっている。そして、スペースの都合で記載してませんが、「クラウン」でさえも4WDの人気は高いようで、グレードによっては、新車時の価格以上の差になるケースもある。
日産 フーガ
あくまでクラウン以外の高級セダン
比較車種として日産「フーガ」を取り上げると、新車販売でまったくライバルになりえない同車だが、買取相場でもそのままの結果が見られ、年式がたつにつれ、近いグレードでも大きな差が付く。買取り相場自体は、トヨタの「クラウン」がこのクラスの平均と言えるなら、やや平均を下回る。その価格差は年式が遡るにつれ大きくなるようだ。
プレミアムセダンと言われるクラスの需要が低い上に、「クラウン」独り勝ちのクラスであるために当然と言えば当然だ。中古車ユーザーが「クラウン」以外に検討する車種としては国産車なら「フーガ」しかないが、「クラウン」でなければ難色を示すだろう。購入するためには、「クラウン」より安いことが条件になるが、実際には輸入車にも流れるケースも多いだろう。
ホンダ アコードハイブリッド
高級セダンになり切れない
まだ相場がはっきりするほどの台数が出回っていない為、「アコードハイブリッド」の評価は流動的ではあるが、新車販売の動向、市場の人気、他社ハイブリッド専用セダンの相場と照らし合わせると、あまり高い買取り相場にはならないと推測される。原因はその車格。低燃費の経済車なのか、ハイグレードな高級車なのか中途半端なのだ。
トヨタ製ハイブリッド車を見ると、「クラウン」は高級車としての地位が確立しており、パワーユニットがNAかハイブリッドかという選択肢にすぎない。しかし、「アコードハイブリッド」を数少ないホンダ車ファン以外に、どのようなユーザー層に選ばれるかは不明だ。価格が「クラウン」と同水準でも「アコード」のイメージは高級車ではない。かなり低い買取金額でないと売り辛い車種である。前モデルはこのクラスのセダンとしては平均的な相場で、けっして悪くはないが、2.4Lという排気量は国内において敬遠されるのは確かだ。
高級セダンに育つには時間も必要
車両価格が高額なこのクラスは、購入直後に大幅に価格が下落するので落胆するユーザーもおられると思いますが、それ以降はなだらかな落ち方になります。やはり、「クラウン」しかも「アスリート」の相場は高く、ハイブリッドも直列4気筒とダウンサイジングされてもその知名度とイメージは確立されていて、買取現場では相場以上の価格も期待できる。
「フーガ」は独自のイメージが定着しつつあり、新車販売の少なさはあるものの、中古車市場ではある程度存在感が出始めている。しかし、「アコードハイブリッド」は価格に見合う高級感を見いだせない。特に「レジェンド」がフルモデルチェンジされてからは辛い。高級セダンに育つには時間も必要ということか。