ハイブリッドセダン買取相場比較(カムリ・SAI・アコード)
2015/06/02
北米市場のベストセラーを、セダン市場の低迷する日本市場に投入するにあたり、ハイブリッド車のみの設定とし、プレミアなセダンとして内外装や装備もグレードアップ、走行性能も燃費も向上したが、車両価格は歴代「カムリ」で最も高いものになり、日本国内では北米市場のようなベストセラーカーとは言えず、販売実績に沈んでいる。しかも同じトヨタ陣営からはすでに国内専用モデルのハイブリッド車、「SAI」がすでに販売されていた。
目次
プリウス並みの高値買取を望めるか?
同じように北米市場のベストセラーカーで、国内にハイブリッド専用車として投入されたモデルにホンダの「アコードハイブリッド」がある。「カムリ」とは導入の経緯と車種構成が良く似ており、高性能で高価格となり、販売台数は「カムリ」以下とこちらも低迷している。そうなると気になるのは買取価格だ。
ハイブリッド専用車種としては「プリウス」が高い買取価格を維持しているのだが、そこまでの人気が無いと安くなるのか、それともハイブリッド専用車種ということで「プリウス」同様に、高値で買い取ってもらえるのか。そこで、この「カムリ」と「SAI」、そして「アコードハイブリッド」を下取りという観点から比較してみました。
ハイブリッドセダン買取相場比較表
メーカー名 | トヨタ | トヨタ | トヨタ | トヨタ | ホンダ | ホンダ |
---|---|---|---|---|---|---|
車種 グレード |
カムリ ハイブリッド |
カムリ レザーパッケージ |
SAI G |
SAI G Aパッケージ |
アコード ハイブリッドEX |
アコード ハイブリッドLX |
新車価格 | 299.5 | 361.9 | 363.8 | 400.9 | 371.4 | 347.6 |
2015 | 221.0 | 267.0 | 277.0 | 293.0 | 278.0 | 263.0 |
2014 | 204.0 | 246.0 | 247.0 | 263.0 | 261.0 | 247.0 |
2013 | 187.0 | 226.0 | 172.0 | 181.0 | 252.0 | 236.0 |
2012 | 174.0 | 211.0 | 178.0 | 180.0 | ||
2011 | 167.0 | 203.0 | 172.0 | 174.0 | ||
2010 | 131.0 | 140.0 |
トヨタ カムリ
高級感・存在感あふれるセダンスタイルに、2.5L アトキンソンサイクルエンジンを採用し、走行燃費は25.4km/L。もっと売れても良さそうだが、現実にはそうではなさそうだ。月販700台なので計画通りといえば言えるが、とてもベストセラーカーには思えない。では買取相場はどうだろうか。同価格帯の「SAI」との比較では、同じメーカー同じクラスのハイブリッド専用車であるのにかかわらず、年式を重ねるごとに「SAI」に差を付けている。その差は「カムリ」が発売された2011年式では30万近くになる。
「SAI」の方がモデル自体が2年古いこともあるが、最大の理由はハイブリッドのベースエンジンの違いが大きく、買取価格にこれだけ差があるということは、ハイブリッド車を求める中古車ユーザーが、トヨタ製ハイブリッドを良く知っているということでしょう。
トヨタ SAI
2.4L 直列4気筒DOHCとモーターを組み合わせた「リダクション機構付きのTHS II」システムを搭載。JC08モード走行燃費22.4km/Lの低燃費を実現している。「カムリ」よりも旧型なパワーユニットではあるが、マイナーチェンジでイメージを一新し、スポーティーさを打ち出すことによって、存在感を示している。「カムリ」よりも厳しい買取相場であることは紹介しましたが、ではライバルメーカーのハイブリッド専用車、ホンダの「アコードハイブリッド」とも比較ではどうでしょうか。
2013年発売の最新モデルなので当然であるが、「SAI」はもとより、「カムリ」をもしのぐ高い買取相場であり、「SAI」としては完敗といった比較になってしまった。実際の買取台数や中古車の販売台数は、一番長く販売しトヨタ全店で取り扱う「SAI」が多いはずで、「アコードハイブリッド」の中古車などは観ることすら珍しい状況では正しい相場が出来ていないこともあるかもしれません。が、全体の流れとしては大変厳しいのは確かでしょう。
ホンダ アコードハイブリッド
2L 直列4気筒DOHCエンジンと新世代パワートレイン技術「EARTH DREAMS TECHNOLOGY(アース・ドリームス・テクノロジー)」を採用したハイブリッドシステムSPORT HYBRID i-MMDを搭載。軽自動車トップクラス並みの30.0km/L(JC08モード)という圧倒的な低燃費を実現している。
まだ発売から2年にも満たないことと、販売台数自体が少ないこともあり、買取市場に登場するのはごく稀な状況であり、相場自体は安定していないのではないでしょうか。それでも最新の「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」を採用した「SPORT HYBRID i-MMD」の採用で、中古車市場に購入可能な販売価格で出ていたら、目を引くものがあります。ハイブリッドを購入するユーザーはたとえ中古車でも、最新のものが欲しいという新し物大好き人間のはず。
電池だってリチウムイオンでないと旧型とみなされるでしょう。そんなユーザー心理が買取相場に影響しているのではないでしょうか。
ハイブリッドセダンはまだ中古車市場では少数
買取り市場にハイブリッド車が本格的に出回り始めて、まだそれほどの期間がたっていない現在、車種としては「プリウス」、「アルファード」や「エスティマ」などのミニバン、そして「アクア」ホンダ製のコンパクトカーがほとんどで、ハイブリッド専用車は「プリウス」「アクア」に限られています。「カムリ」「SAI」といった4ドアセダンとなると、市場に出回るのはごく僅かです。
ここに「アコードハイブリッド」が加わることになりますが、市場を作り上げるだけのパワーはなさそうです。今はまだもとの新車価格が高額であったこともあり、買取相場は高く維持されているが、今後「プリウス」のモデルチェンジで、買取や下取り車が大量に出回ることが予想され、買取相場にも影響が出利事も予想されます。