SUV買取相場比較(FJクルーザー・ランドクルーザープラド・ムラーノ・パジェロ)
2015/05/21
「ランドクルーザープラド」と共通のラダーフレームを使用する本格的SUVでありながら、乗降用ドアは両側面ともピラーレス(ドアに内蔵)の観音開きになるなど独特のデザインを採用し、ツートンカラーなど見た目でもインパクトのあるエクステリアが特徴の「FJクルーザー」。
もともとは北米市場専用車種として開発されたが、個性的な外観を持つことから日本にも根強いファンがおり、一定の需要が見込めることから2010年12月4日より日本国内でも正規販売されている。こんな個性的なクルマは買取り価格はどうなっているのか、他社の個性的なSUVとの比較を通じて調べてみました。
SUV買取相場比較表
車種名 | 新車価格(万円) | 2014年 | 2013年 | 2012年 | 2011年 | 2010年 | 2009年 |
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FJクルーザー | |||||||
FJクルーザー | 299.0 | 253.0 | 252.0 | 246.0 | 226.0 | 228.0 | |
オフロードパッケージ | 316.1 | 259.0 | 244.0 | 238.0 | 238.0 | 236.0 | |
ランドクルーザープラド | |||||||
4.0TZ | 404.7 | 324.0 | 276.0 | 260.0 | 249.0 | 246.0 | 239.0 |
2.7TX | 317.1 | 256.0 | 251.0 | 249.0 | 256.0 | 253.0 | |
日産 ムラーノ | |||||||
250XL Four | 300.0 | 230.0 | 204.0 | 187.0 | 165.0 | 150.0 | 135.0 |
350XV Four | 425.7 | 237.0 | 218.0 | 200.0 | 168.0 | 135.0 | 120.0 |
パジェロ ショート | |||||||
VR‐Ⅱ | 366.0 | 279.0 | 243.0 | 227.0 | 196.0 | 177.0 | 164.0 |
トヨタ FJクルーザー
買取り価格では常に高値を維持している「ランドクルーザー」シリーズの例にもれず、この「FJクルーザー」も販売以来、非常に高い買取り相場が続いている。「ランドクルーザープラド」とはほぼ同水準であるが、他のSUV「パジェロ」「ムラーノ」等を大きく引き離しており、コアなSUVファンを引き付けている。コア過ぎて、中古車市場で実際に購入するユーザーも限られているのだが、「ランドクルーザー」「ランドクルーザープラド」と比べても、新車販売での台数がきわめて少ないので、希少価値すらある。
このクルマこそ、下取りというよりも買取りという方法が圧倒的に高値を付ける傾向にあり、特に4WD専門店での買取りが盛んである。状態が良好であれば、相場よりもかなり高値が期待できる。ベースグレードと各種パッケージがあるが、新車時の価格差を超える判断材料にはならないようだ。使用状態も街乗り中心の個体が多く、大幅な改良を施しているケースも意外と少ないのが特徴。2006年の発売初期モデルでも最新の2014年式でも違いがほとんどない車種なので、買取り時にも年式の差はあまり関係なく、走行距離などの状態次第で、低年式でも高年式車を超える価格が提示されることも多い。
トヨタ ランドクルーザープラド
景気動向で新車の売れ行きに影響の出やすい大型のSUVだが、下取り相場は高値で安定している。特に、「ランドクルーザー」の冠は大きく、2~3年の年式の差では相場には影響しないのも特徴。それでも中古車市場では、時代の流れから直4モデルの方がより売りやすく、4.0Lのビッグエンジンは割高な価格ともあいまって敬遠されがちだ。
4.0Lなら「ランドクルーザー」、「プラド」は直4がいいということだろうう。それでも全体的には高水準で、他社の追随を許さない。もちろん専門店での買取りがより高値での価格を期待出来るのは当然だが、「ランドクルーザー」「FJクルーザー」よりも一般の乗用ニーズに対応できる車種ということから、下取りでも高値が期待できる。特に最新の大型SUVへの代替の場合には、トヨタ系を始めとして各ディーラーも高い下取り価格で対応する。各中古車部門でも確実に高く売れると判断されているのだ。
日産 ムラーノ
この価格帯の相場は、人気のSUVであっても、初年度は購入金額に対して大幅に落ち込むので、ショックが大きいが、その後はなだらかな下降曲線を描く。さすがに3.5Lエンジン車は年度を重ねるごとに2.5L車より落ち幅が大きくなる。それほど大きな燃費の差がないとしても、大排気量車としてのイメージが嫌われるようだ。人気が常に安定しているSUVならではの高水準ではあるが、トヨタの「ランドクルーザー」シリーズとは比較にならないほどの差がついてしまう。
「FJクルーザー」と同じく北米での人気を背景にして国内へ導入された車種ではあるが、ラグジャリーSUVの居場所はあまりないようで、よりオフロードに徹する「ランドクルーザー」や、コンセプトカーの様な個性的なルックスを持つ「FJクルーザー」ほどのインパクトがないのは、新車でも中古車でも売りづらい車種といえる。新型が2015年中にも登場しそうだが、そうなるとさらに現行モデルの価格が下がることも予想される。
三菱 パジェロ
数少ない国産ヘビー級4WDだけに、下取り相場は安定している。新車販売が景気の動向で左右されるだけに、ここ数年は玉不足状態が続いており、高年式車の相場は期待できる。3.8Lは人気薄。個性的な「FJクルーザー」との比較ということで、ショートボディの相場を挙げてみたが、ロングボディより相場自体は低いようだ。この「パジェロショートボディ」は100%近くが専門の買取り業者が扱っているだろう。
稀にディーラーの下取りに入ったとしても、オークションや業販にとって専門業者の手に渡り、4WD専門店の展示場に並ぶことになるはず。社外パーツを組み込むケースも多く、手放す側も、その手間と費用を正しく評価してくれないと手放せない。そうなると相場も目安程度しかならず、その個体の価値がどう評価されるかという世界になる。