小型ミニバン買取相場比較(ウィッシュ・ストリーム・アイシス・プレマシー)
2015/04/01
ミニバンというとトヨタでいえば「ノア/ヴォクシー」そして新しく加わった「エスクァイア」が主流。ハイブリッドの投入もあり、ファミリー層に大人気です。それに対して「ウィッシュ」のような低車高のミニバンは、現在は人気があるとはいえません。かつてホンダの「オデッセイ」を筆頭に人気を誇っていたのですが、それらの大型化や、「ノア」クラスのミニバンが魅力的なモデルに進化したため、モデル数も少なくなってしまいました。しかし、大きすぎるミニバンの使い勝手に不満を持つ人も多く、乗用車に近い運転姿勢の「ウィッシュ」も値強いファンがいます。
新車を購入する際、値引きの多さも重要ですが、買い替える時のリセールバリューも考慮する必要があります。車種によって買取り時の価格は大きく異なります。ここでは5ナンバーサイズのミニバンとして、長く販売し続けるトヨタの「ウィッシュ」と、そのライバル車を、買取りという観点から比較してみました。
買取相場比較表
メーカー・車名 | 新車価格 | 2014年 | 2013年 | 2012年 | 2011年 | 2010年 |
---|---|---|---|---|---|---|
トヨタ ウィッシュ | ||||||
1.8G | 211.4 | 166.0 | 145.0 | 133.0 | 1.8S 114.0 | 1.8S 107.0 |
1.8G 4WD | 230.4 | 185.0 | 164.0 | 150.0 | 1.8S 130.0 | 1.8S 127.0 |
ホンダ ストリーム | ||||||
1.8RSZ | 189.5 | 163.0 | 137.0 | 142.0 | 117.0 | 104.0 |
1.8RSZ 4WD | 213.4 | 169.0 | 151.0 | 134.0 | 116.0 | 101.0 |
トヨタ アイシス | ||||||
1.8プラタナ | 207.9 | 147.0 | 129.0 | 118.0 | 103.0 | 90.0 |
1.8プラタナ 4WD | 227.9 | 146.0 | 134.0 | 129.0 | 114.0 | 103.0 |
マツダ プレマシー | ||||||
20CS | 171.3 | 128.0 | 108.0 | 52.0 | 56.0 | 47.0 |
20E 4WD | 201.9 | 144.0 | 107.0 | 89.0 | 69.0 |
トヨタ ウィッシュ
トヨタ店の代表である「アイシス」と共通のエンジンを採用する、まったく同じコンセプトの「ウィッシュ」だが、「アイシス」がスライドドアを採用するのに対し、「ウィッシュ」はヒンジ式であることが大きな違い。そんなことから、3列シートを装備した6、7人乗りのミニバンというイメージが薄いクルマだ。そのことと、スタイリッシュなデザインで若い層にも人気があるのだが、買取り相場はどうだろうか。実は「アイシス」よりも高い価格で推移しており、5年遡ってもそれは変わらない。それは走行距離の違いなど、多少の程度の差があっても逆転は不可能なほどだ。前モデルは逆に「アイシス」の方がいいぐらいであるので、 現行モデルの魅力がアップしたということになる。
今後ホンダから「ストリーム」の後継車種である「ジェイド」の登場もあるが、試乗に出るまではまだかかるため、大来か変動はないと思われます。
ホンダ ストリーム
「ウィッシュ」に先駆けて、全幅が1.7m未満の5ナンバーサイズの3列シート7人乗りのミニバンとして大人気となったのは2000年に発売された初代。 2代目となる現行モデルは2006年に登場したが、すでにこのクラスをけん引する魅力はなかった。それから8年目の2014年5月には生産が終了してしまった。しかし、買取り相場自体は、不人気車種であるにもかかわらず、「ウィッシュ」とほとんど変わらない相場を維持している。2011年式で大きく金額が落ちるのは、二度目のマイナーチェンジのため。装備の大幅なアップと、6人乗りに限定したグレード編成などにより、2012年4月以降の車種は、買取り相場は大きく上がっている。
販売終了から約9か月目にあたる2015年2月には、後継車種の「ジェイド」が登場する。ハイブリッド専用車であり、名称も異なるが、だれが見ても3列シートを備えた「ストリーム」の後継車種であることに間違いない。このことから、「ストリーム」の買取り価格に変動がある可能性もあるが、それはもう少し先になると予想される。既存モデルからの代替が多く発生すると思われるが、価格に影響のあるほど流通する台数が販売されていなかったためだ。
トヨタ アイシス
2004年発売のモデルではあるが、3列シート車の人気は高いので、全体としての買取り相場は高めに推移する。中古車市場に出回るクルマも、新車で販売するクルマも同じボディなので、年式による差がないのは、中古車を購入するユーザーにとってはうれしい。このような車種は5、6年落ちでも現行車種であり、買取り価格は落ちにくい。
中心となるのは「プラタナ」の1.8L車。価格の高い2,0L車は2年ほどでその価値は低くなり、1.8L車に逆転されてしまい、2009年式では10万円ほどの差を付けられている。
最近の風潮として4WDの人気が高くなっている。以前から地方部などでの需要が多かったが、最近は異常気象による災害などの影響で、「次に買うクルマは4WDを」と思われる方も多く、新車中古車問わず4WD人気があり、どんなクラスでも4WDの方が人気があり、もちろん実際の買取価格にもプラスされやすい。
マツダ プレマシー
「ウィッシュ」や「アイシス」も大人気とは言えないが、「プレマシー」の不人気はそれ以上、大幅な値引きが恒例化され、その影響が大きいと思われる。上級車種の「ビアンテ」「MPV」というともに販売不振の車種があり、次期型では統合が行われる予定で、消滅の危機にもさらされている状況なのだ。
最近はSKYACTIVテクノロジー採用車を中心に買取相場も良くなっている反面、SKYACTIV以前のモデルや採用されていないグレードは、値引きの多さもあいまって、相変わらず低い相場になっている。比較表のモデルはSKYACTIV非採用モデルであるが、「ウィッシュ」と比べてもその差が大きく開いているのがわかる。比較的良いとされる4WD車でもそれは変わらないようだ。
購入時にお買い得感が得られているはずなので、けっして損はしていないと思うのだが、買取り金額が提示された時のがっかり感は大きい。