クロスオーバーSUV買取相場比較(イスト・ジューク・ビーゴ・ベリーサ)
2015/03/19
2BOXとSUVを融合させたルックスの「イスト」は、 2007年の登場からら8年目になってもモデルチェンジの噂も無く、販売台数は伸び悩んで月間数十台程度に留まっている。北米で展開するサイオンブランドの主力車種のため、国内向け単独でのフルモデルチェンジはできない事情による。トヨタ製コンパクトカーでは異例のロングライフモデルとなった「イスト」だが、買取り価格の点ではどうか。コンセプトの近い「日産ジューク」と、コンセプトは違うが、同じく息の長いモデルの「ダイハツ ビーゴ」「マツダ ベリーサ」も含めて比較検討することにしました。
買取相場比較表
メーカー・車名 | 新車価格 | 2014年 | 2013年 | 2012年 | 2011年 | 2010年 | 2009年 |
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トヨタ イスト | 2010年8月発売 | ||||||
150X Cパッケージ | 151.9 | 126.0 | 80.0 | 69.0 | 57.0 | 59.0 | |
150G 4WD | 190.0 | 134.0 | 114.0 | 103.0 | 90.0 | 87.0 | 70.0 |
日産 ジューク | 2010年6月発売 | ||||||
15RS | 160.9 | 98.0 | 90.0 | 88.0 | 81.0 | 78.0 | |
16GT FOURタイプV | 236.5 | 119.0 | 119.0 | 119.0 | 109.0 | 109.0 | |
ダイハツ ビーゴ | |||||||
CXスペシャル | 157.9 | 135.0 | 115.0 | 103.0 | 86.0 | 80.0 | 67.0 |
CXリミテッド 4WD | 198.3 | 141.0 | 135.0 | 128.0 | 122.0 | 117.0 | 111.0 |
マツダ ベリーサ | |||||||
C | 148.6 | 95.0 | 80.0 | 68.0 | 56.0 | 47.0 | 40.0 |
L 4WD | 178.6 | 111.0 | 92.0 | 78.0 | 63.0 | 52.0 | 42.0 |
トヨタ イスト
コンパクトカーとしては平均的な買取り相場。しかし、クロスオーバーSUVとは認知されておらず、そのため「ジューク」「ビーゴ」などのような、クロスオーバーSUV特有の値落ちの少なさは維持されていない。発売から7年目に入ってもフルモデルチェンジの噂もないため、新車販売においては低迷しているものの、手放す時も現行車種であるという利点にもなる。
初代モデルが圧倒的に多く販売されており、「イスト」として知名度は十分にあるが、現行モデルは7年間の期間がありながら、「イスト」として見分けられる人は少ないだろう。あまり見かけないクルマの部類に入ってしまう。これは、あらゆるカテゴリーでベンチマークになりゆるトヨタ車としては珍しい現象でもある。
限定車の設定は少ないものの、もともとグレード展開が薄い車種だけに、装備アップや専用色をほどこすことで、非常に有利に働く。ボディーカラーは、クロスオーバーSUVとして車種本来のの魅力が際立つブラック系の人気がある。
イストの買取相場と値引き交渉のポイント 2015-03-19
日産 ジューク
「イスト」同様に販売の伸び悩む「ジューク」。このクラスでは数少ないクロスオーバーSUVとして、その個性的なルックスを武器に、一定の支持を受けていたが、「CX‐5」などの一クラス上の人気車種の登場や、「エクストレイル」「ハリアー」のフルモデルチェンジ、そして直接競合する「ホンダヴェゼル」の出現で一気に支持を失った感がある。
しかし、中古車市場においては、「イスト」と違い、通常のコンパクトカーとは明らかに違うスタイリングが、クロスオーバーSUVとして、認知されており、買取り相場も年式を遡るごとに「イスト」に差をつけている。まだ、強力なライバル勢が買取り市場に出てきていないことも、現在の状況を有利にしている。2WD、4WDともに良く、頻繁に登場する限定車などは、個性を重要視するクルマの性格上人気が高い。また、「ジューク」には「NISMO]というスポーツバージョンもあり、こちらの買取り相場は別物といっていいだろう。
ダイハツ ビーゴ
「イスト」のライバルかと言えば「?」が付く。トヨタにはまったく同じクルマが、OEMで「ラッシュ」として存在するのでなおさらだ。しかし、クロスオーバーSUVというクラス以上に、モデルライフの長い車種として、比較車種として見ました。「イスト」より古い2006年発売の「ビーゴ」は、現在までほぼそのままの仕様。新車での販売も細々というイメージだが、地方部では姉妹車の「ラッシュ」とともに多く見られ、どんな厳しい環境でもクルマの利用が必須となる地域においての、強い味方として、生活の足として活躍している。
そんな意外な人気を反映してか、買取り価格は驚くほど良く、同価格帯での「日産 ジューク」を凌いでいる。好き嫌いのある個性的なデザインの「ジューク」より、大人しい雰囲気の「ビーゴ」の方が万人受けし、女性も多く利用する地域では、中古車として売りやすいのが要因だろう。確かに、「ビーゴ」なら女性や高齢者が運転し、ショピングセンターの駐車場で見受けても違和感がない。その意味では、ボディーカラーも白が最適ではないだろうか。
マツダ ベリーサ
長く販売し続ける車種と言えばこの「マツダ ベリーサ」。その歴史は2004年までさかのぼる。当時の2代目「デミオ」のプラットフォームを利用しており、国内専用車であるにも関わらず、廃止もモデルチェンジも無く今まで販売されてきた。その間ベースとなった「デミオ」は4代目となって販売も好調である。
コンセプトは「小さな高級車」。本革シートがオプション設定され、インテリジェントキーや大きめの後席シートが標準設定されている。しかし、マツダの代名詞である「SKYACTIV」は搭載されておらず、スペックは見劣りする。売り物の高級感は、当初こそベース車に対して存在感があったが、現在の「デミオ」は「ベリーサ」がベースとした2代目とは比べ物にならないほどの質感を持っているので、わざわざ「ベリーサ」を購入するメリットは見いだせない。
買取り価格で見ると、やはり前出の比較車種に比べると、SUV的な個性も併せ持つ個性的な車種でありながら、大きな差をつけられることになる。しかし、2代目の「デミオ」との比較なら低いことはなく、むしろ価格的には上回っている。しかし今後は継続か、モデルチェンジかの選択をせまられており、その結果が買取り市場にどう影響するか流動的である。