低燃費軽自動車買取相場比較(アルト・ミライース・アクア・ムーヴ)
2014年12月にフルモデルチェンジされた「アルト」。軽量化等により燃費は37.0km/Lを達成し、ガソリン車世界№1となって注目を集めている。「アルト」の唯一のライバルとなるのが、ダイハツ「ミラース」。低燃費スペシャルの先駆者として、先代モデルの「アルトエコ」には販売において大きく差を付けた。
買取り価格の比較においては先代モデル「アルトエコ」での比較になり、両車とも高い価格を付けているが、車両価格が低いこともあり、ある程度下がるとそれ以上は下がらず、年度によっては前の年度の価格を上回っているなど、程度によってあまり年式に関係ない状況がある。
この2台以外にはライバル関係のある車種は存在しないが、比較のために普通車から低燃費車の代表としてトヨタの「アクア」、軽トールワゴンを代表してダイハツの「タント」を列記しています。
買取相場比較表
メーカー・車名 | 新車価格 | 2013年 | 2012年 | 2011年 |
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スズキ アルト 2013年8月追加設定 2011年9月発売 | ||||
ECO‐L | 85.2 | 38.0 | 34.0 | 36.0 |
ECO‐L 4WD | 89.4 | 55.0 | ||
ダイハツ ミライース 2011年12月発売 | ||||
L | 84.7 | 34.0 | 38.0 | 38.0 |
Lf(4WD) | 94.2 | 43.0 | 46.0 | Xf 49.0 |
トヨタ アクア | ||||
G | 176.1 | 142.0 | 117.0 | 134.0 |
L | 160.9 | 121.0 | 97.0 | 114.0 |
ダイハツ ムーブ | ||||
L | 101.9 | 45.0 | 41.0 | 43.0 |
X 4WD | 125.8 | 56.0 | 59.0 | 60.0 |
スズキ アルトエコ
新型「アルト」ではカタログ落ちしたアルトの低燃費バージョン。2011年初頭に発売されたダイハツの「ミライース」を受けて登場した。しかし、専用設計のライバルに対し急造の感があり、また知名度においてもかなわなかったというのが現実。しかし、買取り相場ではほとんど差はなく、同じような傾向を見せている。2011年式でも2013年式でも、走行距離など程度がよければ逆転する。
新車販売において「ミライース」に追いつけなかった最大の原因は、バリエーションの少なさ、そして決定的なのが4WDの設定が遅れたことだ。なんとフルモデルチェンジ前年の2013年末にやっと設定したのだ。その評価は買取金額においても高く、もっと早く設定出来れば、新車の売り上げにも貢献出来たことは容易に想像できる。もはや低燃費が売りのこのクラスにおいても4WDは必須条件で、軽自動車の販売比率の高い地方部は降雪地帯も多く、冬場でも日常の足としてかかせない存在の軽自動車には、最新のアイテムよりなにより4WDを選択することが当たり前になりつつある。だからこそ、新型「アルト」では最初から設定している。
低燃費性能と新車時の価格、そして維持費をを考えると、このクラス以上に経済的なクルマはなく、さいしんのハイブリッド車でもかなわない。もちろんその分我慢する部分は少なくないが、新型「アルト」はかなりその「我慢」すべき部分が減り、さらにライバルもその上を行く改良を施すはずであり、当分は買取り市場での高い評価は変わらないだろう。
ダイハツ ミライース
先代の「アルトエコ」に先駆け、いち早く低燃費スペシャルを投入したダイハツの戦略は大成功。常に販売台数では「アルトエコ」をリードしていた。買取り金額を見るとさほど高く感じないが、新車価格を見れば納得するでしょう。買取り市場で最も人気のあるとされる軽トールワゴンは、この「ミライース」より30万円ほど高い新車価格なので、買取り相場もその差額分程度は高いのだが、落ち幅においては「ミライース」もそん色がないといえる。
とにかく安くて燃費のいいクルマと思ったら、「ミライース」の中古車を探すのが鉄則。「アルトエコ」よりグレードも豊富で、4WDも選べるのがうれしい。しかも圧倒的に台数が多い。「アルトエコ」は、通常の「アルト」の数が多く、探しづらいということもある。
買い取る側も、中古車を探す側も知名度のあり「ミライース」は常に低燃費車の代名詞であり、「あとスズキのやつ・・」になる。それでも買取相場の価格では差がないのだが、現実にはそれ以上の差があると思った方がいい。
トヨタ アクア
一般に新車の売れ行きがいいと、買取価格も連動していいと言われ、「アクア」は例外なく高水準といえます。全体的に、まだ年度による差もあまりなく、走行距離などの状態の良し悪しが価格の大部分を占めるため、年式による相場が逆転するケースも多くあります。また、新しく加わった「X-URBAN」は、グレード展開の少ない「アクア」に加わった初め仕様のため、市場に出れば高値になるかもしれない期待がありますが、当分先のことでしょう。
新車価格では違いがありすぎますが、買取り金額の高い人気車種ということではライバルともいえます。購入時に下取り車などで充当し、「アルト」の倍以上の出費を補完出来れば、燃費も「アルト」並み、手放すときには購入時の費用を十分還元できるクルマと言えます。
ダイハツ ムーヴ
同社の「タント」、ライバルのスズキ「ワゴンR」ホンダの「N」シリーズも同様に、軽トールワゴンの人気は新車販売に関わらず、買取り相場でも引く手あまたの状況が続いている。「アルト」では我慢しなければならいぶぶんが、大きく改善され、軽自動車の魅力である経済性以外に、クルマそのものの魅力、実力も加わってもうずいぶんとなる。中古車市場に多くみられる2011年以前の車種でも同様で、その結果として同価格帯のコンパクトカーよりも、価格が高くなるのが常識となっている。