ステーションワゴン買取相場比較(アベンシス・アテンザワゴン・レガシィツーリングワゴン)
2015/05/07
UK工場で生産されて、欧州仕様のそのままに国内で販売されるという、特異な形態の「アベンシス」。そもそも校内でステーションワゴンが売れなくなり、トヨタでは「カルディナ」のような人気車種もあったのだが消滅してしまい、気が付くと「カローラフィルダー」しかなくなってしまった。
しかし、少なくなったとはいえ、まだ需要のあるステーションワゴンのラインナップを、大トヨタがほっておくことは出来ず、このクラスのワゴンの人気のある欧州仕様車の逆輸入という方法でラインナップに加えることにした。
コストをかけずに売れないかもしれないリスクを回避しただけの安易な手法だが、おかげで、国産車らしくない欧州仕様の足回りを持つ秀逸なステーションワゴンが買えるようにもなった。
さて、それではそんな経歴の「アベンシス」だが、買取り価格とい意味では通常の国産車とは違うのだろうか、そして、数の少なくなってしまった他社のライバル達はどうなのだろうか、各車を比較してその価格の推移も見てみましょう。
買取相場比較表
メーカー・車名/グレード | 型式 | 新車価格 | 2013年 | 2012年 | 2011年 | 2010年 | 2009年 | 2008年 |
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アベンシス 2012年2月追加モデル 2011年9月FMC 2008年12月旧モデル販売終了 | ||||||||
Xi | T270 | 238.0 | 138.0 | 138.0 | 134.0 | |||
Li | T270 | 261.9 | 149.0 | 139.0 | ||||
Xi | T250 | 238.0 | 51.0 | |||||
Xi 4WD | T255 | 256.0 | 60.0 | |||||
アテンザワゴン 2012年11月FMC | ||||||||
XD Lパッケージ | GJ2FW | 323.8 | 273.0 | |||||
20S | GJEFW | 238.0 | 192.0 | 198.0 | ||||
20S | GHEFW | 223.8 | 117.0 | 107.0 | 77.0 | 68.0 | ||
25S | GH5FW | 238.0 | 141.0 | 121.0 | 102.0 | 94.0 | ||
レガシィツーリングワゴン 2009年5月FMC | ||||||||
2.5i | BRM | 232.0 | 148.0 | 125.0 | 113.0 | 80.0 | ||
2.5GTアイサイト | BR9 | 332.0 | 184.0 | 191.0 | 164.0 | 154.0 | ||
2.5GT | BP5 | 310.5 | 76.0 | |||||
2.5i | BP9 | 258.0 | 88.0 | 67.0 |
トヨタ アベンシス
2008年に販売を終了した前モデルは高いとは言えない買取り相場だが、その後2011年にフルモデルチェンジされ再販売された現行モデルは、少なくとも他社のワゴンと同程度の相場と言える。同クラスのリセールリーダーはスバル「レガシィツーリングワゴン」であり、人気という点では足元にもおよばないが、その他のワゴンが少ないこともあり、価格差がない。しかし、実際の買取り現場では大きく差が出る可能性もある。良くできた、さすが欧州仕様の「アベンシス」であるが、知名度があまりにも違うため、車両の評価という意味の相場で同程度であっても、買い取る側に「レガシィが欲しい」というリクエストが多数あっても、「アベンシスが」という声は皆無だろう。どうしても買い取りたいという意欲がわかない車種ということになる。
トヨタ製のステーションワゴンでは、車両価格が安い「カローラフィルダー」や低燃費の「プリウスα」も同クラスと見れば圧倒的に人気もあり、新車の人気、販売台数がまともに影響した数字である。それでも基本的な相場で大きく差がないのは、あまりに台数が少なく、希少性すら出ているという皮肉な結果でもある。
優れたワゴンであっても、新車販売が非常に限定された台数しか出ていないため、CMもほとんど見られず、知名度もその魅力も伝わっていないのが原因である。今後もこの状況は変わらないと見られ、またトヨタから新しいステーションワゴンが発売されるという話も伝わってこない。
アベンシスの買取相場と値引き交渉のポイント 2015-01-26
マツダ アテンザワゴン
2012年にフルモデルチェンジされて登場し、クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D2.2」を搭載したモデルが大人気となり、同シリーズの受注で8割以上を占めるヒットを記録したマツダの「アテンザワゴン」。車両価格の差が大きいので、「アベンシス」との比較は難しいが、クリーンディーゼルの評価はさらに小型の「デミオ」でも高く、年度が進んでも高い相場を維持すると思われます。しかし、ガソリン車の値落ちが大きく、こちらはクリーンディーゼル車に比べ、極端に人気の低いガソリン車の値引きが広がっていることも影響している。
以外なのは前モデルの相場。スバル「レガシィツーリングワゴン」より高いようにも見える。もちろん「レガシィ」より買い取られる台数自体が少ないので、程度の極端に悪いものが数字に反映しなけば相対的に高くなる場合もあるが、実際に高値で買い取られていると見てもいいでしょう。ワゴン人気がなくなったと言われて久しいですが、ひょっとすると、ワゴンそのものの人気がなくなったというより、大きくなった「レガシィツーリングワゴン」の人気がなくなっていたと言うのが正しいのかも知れません。3ナンバーの幅広ボディなら、「アテンザワゴン」の方が装備も内装も良く見えても不思議はない。だからこそ新しい「レヴォーグ」は5ナンバーなのです。
スバル レガシィツーリングワゴン
初代から日本のステーションワゴン市場をリードしてきた同車。気が付けば日本にはライバルが存在せず、自らも北米市場を優先し、ボディも大きくなったため日本の市場を自ら狭めてしまった感がある。そのため、5ナンバーサイズに回帰した「レヴォーグ」を投入、「レガシィツーリングワゴン」は静かに日本市場から撤退した。
ワゴンといえば「レガシィ」、「レガシィ」といえばワゴンというぐらい、刷り込まれていたのだが、買取り相場はそれほど高いという状況ではない。ワゴンとしてもSUVとしても中途半端という判断になるのだろうか。特に2.5Lの人気は依然からなく、2.0Lも性能は文句ないものの、車両価格の高さから敬遠されがち。燃費の悪さも今の時代ではきつい判定を受ける。それでもある程度の相場を長く維持しているのは、4WDとともにスバル信仰のたまものといえる。