低燃費車買取相場比較(アクア・フィット・ノート・ムーヴ)
2015/05/18
新車を購入する際、値引きの多さも重要ですが、買い替える時のリセールバリューも考慮する必要があります。1~2年ではそれほど差はありませんが、4~5年たつと、車種によって買取り時の価格は大きく異なります。ここでは販売台数トップをキープするトヨタのハイブリッド車「アクア」と、そのライバル車を、買取りという観点から比較してみました。
買取相場比較表
メーカー・車名 | 新車価格 | 2013年 | 2012年 | 2011年 |
---|---|---|---|---|
トヨタ アクア | ||||
G | 176.1 | 142.0 | 117.0 | 134.0 |
L | 160.9 | 121.0 | 97.0 | 114.0 |
ホンダ フィットハイブリッド | ||||
ベースグレード | 151.4 | 117.0 | 71.0 | 73.0 |
シーズ | 164.5 | 120.0 | 75.0 | 78.0 |
日産 ノート | 2013年9月FMC | |||
S DIG‐S | 136.0 | 59.0 | 58.0 | 40.0 |
X DIG‐S | 142.8 | 67.0 | 66.0 | 54.0 |
ダイハツ ムーブ | 2012年9月FMC | |||
L | 101.9 | 45.0 | 41.0 | 43.0 |
X 4WD | 125.8 | 56.0 | 59.0 | 60.0 |
トヨタ アクア
デビュー時の勢いを一度も落とすことなく、販売台数をキープ。「プリウス」の失速後はトップの座に君臨し、「フィット」や軽自動車勢に一時期その座を奪われても、マイナーチェンジ直前には再びトップに返り咲くという、他社から見たら「バケモノ」のような「アクア」。一般に新車の売れ行きがいいと、買取価格も連動していいと言われますが、販売直後だけ良くても、2,3年で人気がなくなるようでは買取り相場までは影響しません。長く人気を保っていてこそ良い相場を維持できるのです。そんな意味合いから「アクア」は、兄貴分の「プリウス」と同じような高い相場を形成しつつあると見られます。
グレードの差はあまりないのも「アクア」の特徴で、特に不人気なボディカラーもないようです。全体的に、まだ年度による差もあまりなく、走行距離などの状態の良し悪しが価格の大部分を占めるため、年式による相場が逆転するケースも多くあります。また、新しく加わった「X-URBAN」は、新車での販売がどのくらいになるかわかりませんが、目立って差のないグレードしかない「アクア」に加わった初めての、目で見てわかる他と違う仕様のため、市場に出れば高値になるかもしれない期待がありますが、当分先のことでしょう。
ともあれ、現在「アクア」にお乗りの方は、購入時にあまり買い得感がなかったかも知れませんが、手放すときにはその分高く買取り、下取りされることは間違いないので安心してください。
ホンダ フィットハイブリッド
この表で表すのは旧モデルの買取相場です。当然現行タイプの方がいいはずですが、例のリコール騒動であまり評判がいいとは言えないようです。もちろん買い取る前、買取後でも部品の交換などはディーラーで行えるので心配はないのですが、心象は良くありません。相場というのは景気と同じで、その時の気分や空気感も反映されます。意外とあと数年たつとそんな事はスッカリ忘れているかも知れませんが、現在は最悪といっていいでしょう。
変わって、旧モデルですが、話題になるようなマイナス面はなく、燃費こそトヨタ製ハイブリッドには及びませんが、ハイブリッドとしては割安な価格設定もあり、特にハイブリッドを意識せずに乗れる手軽さで人気は高いようです。しかし「アクア」の高い買取り相場と比較すると、大きな差があるのは事実です。
今後、数ある課題をクリアしたなら、現行「フィットハイブリッド」も買取り相場で大きな評価を得ることは可能でしょう。もし、ホンダがトラブル続きのこのハイブリッドシステムを諦めたり、まったく違うシステムをデビューさせると大きく価格を落とす危険性もあり、ユーザーは気が気ではないでしょう。そんな危うさもホンダ車ならではと、古くからのホンダユーザーは笑っていられるのですが、「フィット」ユーザーにとっては笑い事ではありません。
日産 ノート
フルモデルチェンジでダウンサイジングエンジンとスーパーチャージャーを採用。現在でも国産車唯一のパワーユニットで話題となっている。しかし、買取相場を見てみると、フルモデルチェンジ前のモデルから大きくは変化がなく、パワーユニットに対しての評価はあまり高くない。燃費がそれほど良くないというのも原因だが、旧モデルもその居住性能が高く評価されていると思うのが正しいだろう。「アクア」とは比べものにならないが、これがコンパクトカーとしては平均的な価格だ。
ダイハツ ムーブ
「アクア」のライバルと言われると違和感を感じられるかも知れませんが、実際に、主な利用者が奥様だったり、お子様がまだ小さいご家庭などで、平日の買い物などで利用することが多いご家庭の場合、燃費など経済的なファクターが多く占めるケースでは、「アクア」にするか「ムーブ」の様な軽トールワゴンにするか、悩むことも多いようです。これは「プリウス」では車格の差が大きすぎてなかったことです。そして、買取り相場という点では「アクア」と並ぶ「バケモノ」振りを発揮するのが「ムーブ」が属する軽トールワゴンです。
車両価格の低さからあまり高いとは思いませんが、2011年式ともなると「ノート」を超えてきます。さらに年度落ちはゆるやくに数位しています。これは「ムーブ」だけではなく、同社の「タント」、ライバルのスズキ「ワゴンR」ホンダの「N」シリーズも同様です。言うなれば、日本の軽自動車が互いに切磋琢磨して築き上げてきた結果といえます。
そして2014年12月にフルモデルチェンジされた「ムーブ」は、さらにその評価を高めると思われ、販売台数でも「アクア」を追い落とす権利を持つチャレンジャーの一台と言えるでしょう。