ミニバンの買取相場比較(アイシス・プレマシー・プリウスα)
新車を購入する際、値引きの多さも重要ですが、買い替える時のリセールバリューも考慮する必要があります。1~2年ではそれほど差はありませんが、4~5年では車種によって買取り時の価格は大きく異なります。ここでは5ナンバーサイズのミニバンとして、長く販売し続けるトヨタの「アイシス」と、そのライバル車を、買取りという観点から比較してみました。
買取相場比較表
メーカー・車名 | 新車価格 | 2013年 | 2012年 | 2011年 | 2010年 | 2009年 | 2008年 |
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トヨタ アイシス | |||||||
1.8プラタナ | 207.9 | 127 | 119 | 107 | 95 | 73 | |
2.0G | 226.9 | 137 | 117 | 102 | 88 | 63 | 50 |
マツダ プレマシー | 2010年7月FMC | ||||||
20CS | 171.3 | 108 | 52 | 56 | 47 | 42 | 27 |
20E 4WD | 201.9 | 144 | 107 | 89 | 69 | S 64 | 36 |
トヨタ プリウスα | 2011年5月発売 | ||||||
G | 266.6 | 173 | 162 | 155 | |||
S | 238.0 | 161 | 150 | 144 |
ミニバンというとトヨタでいえば「ノア/ヴォクシー」そして「アイシス」を販売するトヨペット店が扱う「エスクァイア」が主流。ハイブリッドの投入もあり、ファミリー層に大人気です。それに比較して「アイシス」のような低車高のミニバンは人気が今一つありません。かつてはホンダの「オデッセイ」を筆頭に人気を誇っていたのですが、それらの大型化や、「ノア」クラスのミニバンが魅力的なモデルに進化したため、モデル数も少なくなってしまった。しかし、大きすぎるミニバンの使い勝手に不満を持つ人も多く、乗用車に近い運転姿勢の「アイシス」も値強いファンがいます。
トヨタ アイシス
10年目を迎える長寿命モデル。中古車市場に出回るクルマも、新車で販売するクルマも同じボディなので差がない。このような車種は5、6年落ちでも現行車種であり、買取り価格は落ちにくい。しかも、3列シート車の、もともとの人気が高いので、全体としての買取り相場は高めに推移する。最初の1年で大きく落ちるのは、新車の人気に影響するので、ミニバン人気ではあるが、「アイシス」自体は他のミニバンのような価格維持力はないといえる。中心となるのは「プラタナ」の1.8L車。価格の高い2,0L車は2年ほどでその価値は低くなり、1.8L車に逆転されてしまい、2009年式では10万円ほどの差を付けられている。
表にはスペースの関係で記載されてませんが、最近の風潮として4WDの人気が高くなっている。以前から地方部などでの需要が多かったが、最近は異常気象の災害などの影響で、「次に買うクルマは4WDを」と思われる方も多く、新車中古車問わず4WD人気があり、どんなクラスでも4WDの方が人気があり、もちろん実際の買取価格にもプラスされやすい。
マツダ プレマシー
全体的に買取相場は低いとされるマツダ車であるが、最近はSKYACTIVテクノロジー採用車を中心に人気が出ており、買取相場も良くなっている。反面、SKYACTIV以前のモデルや採用されていないグレードは、値引きの多さもあいまって、相変わらず低い相場になる。比較表のモデルはSKYACTIV非採用モデルであるが、「アイシス」と比べてもその差が大きく開いているのがわかる。2008年以前まで遡ると、その差は倍近くなるモデルもあるほどだ。
「アイシス」もけっして人気があるとは言えないのだが、「プレマシー」の不人気はそれ以上ということで、ある程度の販売を維持するための大幅な値引きが恒例化され、その影響が大きいと思われる。そもそもホンダの「オデッセイ」に見習って開発されて、代を重ねてきた同車だが、上級車種の「ビアンテ」「MPV」というともに販売不振の車種があり、次期型では統合が行われる予定で、消滅の危機にもさらされている状況なのだ。
購入時にお買い得感が得られているはずなので、けっして損はしていないと思うのだが、買取り金額が提示された時のがっかり感は大きい。SKYACTIV車はある程度改善されるはずだが、同モデルとして扱われるため、現行モデルではあまり差が出ないでしょう。
トヨタ プリウスα
買取り比較でこの車種を「アイリス」と比較するのは不公平だと思われるかも知れません。それほど買取相場が高い車種の代表ともいえるトヨタ製ハイブリッド専用車。3列シートはあくまで緊急用、お子様等のもの程度の出来であるものの、燃費性能がその欠点をカバーしてあまりある魅力となっているようです。ミニバンとしての使い方というより、ステーションワゴンとしての積載能力の多さを利用することも多いようです。買取り価格は新車価格の高さももちろんあるが、非常に高く「プリウス」よりも人気があることを示しており、買取り専門店側としても欲しがる車種となっている。
2011年のデビューなのでこの先どうなるかは確約できないが、燃費が最大の注目点になる風潮はどのクラスでも変わらないと見られ、急に買取り相場が下がる事はないでしょう。ただ今後、背の高い通常のミニバンも次々とハイブリッドやダウンサイジング化が進むと、この「プリウスα」自体の存在感が薄くなり、次期型が登場しなくなるなど、モデルの魅了が失われていく可能性もある。現在も「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」にハイブリッドモデルが登場し、同価格でもあり人気が出ている。数年たつとこれらが市場に出てくると、「プリウスα」の相場に影響が出てくるでしょう。