ゴムパーツのメンテナンス
近年のゴムパーツ
近年のゴムパーツはちょっと以前、90年代のパーツと比べるとかなり強度が落ちてきているといわざるをえない。
これはただ単にコストダウンのために品質を落とした、ということではなく、どうやら「ゴミ」としての処理上、あるいはリサイクル上のエコ対策のためもあるようなのだ。
燃焼処理にしても、リサイクルをするときの熱処理・薬品処理にしても、その時に排出する毒性があってはならないので、ゴムの強度よりもそちらを優先しているといえるのだろう。
その結果として変形、耐薬品性が落ち込んでしまったということが、現代の車のゴムパーツにまつわるマイナス要素の事情になる。
ゴムパーツの保護材
車を綺麗に見せるコツとして、よく言われるのが「タイヤ・ホイール」「ガラス」「ゴムパーツ」を綺麗にしておくことだ。
ここで問題になるのはまず綺麗にしなくてはいけないことと、その後保護・艶出し剤を使わなくてはあまり綺麗には見えないことなのだ。タイヤもそうなのだが、ゴムパーツも黒々としていなければあまり綺麗に対しては効果的ではないからなのだ。
また樹脂パーツもそうなのだが、ゴムパーツも保護剤を使わないと劣化が早まってしまう。そうなるといつの間にかヤレた感じになってしまい、車全体がしまらないイメージになってしまうのだ。
しかしこの保護剤は製品化するために、おおくの場合石油系の溶剤やアルカリ系の溶剤を使っているケースが多い。
この石油系溶剤やアルカリに対して、現代のゴムパーツは以前のものに比べるとかなり耐性が劣るのだ。したがって長期に亘って使い続けると、いつの間にか変形をしてしまったり、割れが生じたりしてしまい、大変なことになってしまう。
ゴムパーツの耐性
ウエザーストリップゴムをはじめとする、各種ゴムパーツの素材として以前はクロロプレンゴムが多く使われていた。しかし現在は前述のようにゴミ処理上の問題や、リサイクル上の問題から、メーカー各社では様々なものが使われているようだ。
したがってクロロプレンゴムのように、耐紫外線や耐オゾン、アルカリや酸、石油系溶剤に対する耐性はまちまちになっているようだ。
どのメーカーの素材はアルカリに強いが酸には弱く、紫外線には強いがオゾンには弱いなどというデーターは、残念ながらそろっているわけではない。
クロロプレンゴムのように、いずれも良好な耐性を示すから、保護剤はどれを使っても大丈夫だなどという保証はいっっさいないと思っておいた方がいい。
ゴムパーツのメンテナンス
ではこんな脆弱なゴムパーツを、いったいどうやってメンテナンスすればいいのだろうという、現実問題になる。これは案外プロでも意識していないケースがあるので、もしメンテナンスを依頼するときには、注意が必要になる。
まず綺麗の基本である洗浄なのだが、アルカリにも弱いという前提があるので、強い洗剤等は一切使わないほうが賢明だろう。できれば水で柔らかいタオルなどだけで、そっと洗うことが好ましい。ひどい汚れについても、基本的にはちょと熱めのお湯にタオルを漬けて、お湯でビショビショの状態にしたものでそっと洗うことが好ましい。ある程度の温度があれば、意外に汚れは落ちやすく、ちょっとした油分も落としてくれる。
もし汚れがひどく、どうしても洗剤を使わなくてはならない場合だが、食器洗い用の中性洗剤か濃色用のボディーシャンプーを薄めて使うことをおすすめしたい。この場合もしブラシを使うのであれば、歯槽膿漏用の、毛がきわめて柔らかい歯ブラシを使うことをおすすめしたい。それでもゴムの表面に、薄っすらと傷がついてしまうことは防げない。
こうして綺麗にしたゴムには前述のように、保護・艶出し剤を塗布しなければあまり綺麗には見えない。
保護・艶出し剤には石油系溶剤や、界面活性剤というある種「クリーニング効果」のある成分を含む物が多くあるが、前述の理由でこれは避けなければならない。
アルコールはすぐに蒸発してしまうためギリギリセーフなので、ゴムに塗布しても大丈夫という「ガラス系コーティング剤」などを使うこともいいと思う。
エマルジョンタイプを選ぶときにも、なるべくアルカリ成分が入っていない、非石油系の溶剤を使って製品化されているものを選ぶべきだ。どんな製品があるのかということだが、ネットなどで調べても、割合に見つけやすいと思う。
こういったことを条件にして、製品を選び、メンテナンスをしていただきたいと思う。
公開日:
最終更新日:2013/11/08