ギアのメンテナンス(MT/AT/デフ/ステアリング)

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ギアオイルの役割と労働環境

ミッションオイルやデフオイルを代表にするギアオイルは、ギア同士の金属が直接当たりあう時間がエンジンよりも長いため、相当高い減磨・極圧性を要求される。ATはこれに加えて作動オイルとしての能力も求められる。

基本的な役割としては、「潤滑性」「清浄性」「冷却効果」「防錆効果」が主に求められる役割になる。エンジンオイルに求められる「密閉性」は、ほとんど求められない。清浄性も発生するカーボンは、ギアの金属同士が直接当たりあうときに発生する局部的な高温で、オイル自体が瞬間的にカーボン化すること以外には、金属粉が出る以外にあまり汚れる要因はないので、強いものは必要とされていない。

つまりギアオイルの役割は非常に高い減摩性と極圧性に特化され、他のことに対しては要求度が低いことが特徴になっている。

労働環境としては燃焼とは無縁なので、高温化にさらされることも少なく、密閉されたケースやボックスの中で役目を果たすので、エンジンオイルよりは楽な労働環境だといえる。環境だけをみると、楽に仕事をしているようだが実はそうでもなく、極圧と戦うという大変な仕事をしているし、それがもとで劣化もしていくのだ。

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ギアオイルの成分

エンジンオイルと同じように「ベースオイル」に、各種添加剤を入れて市販のギアオイルとして成立をしている。

添加剤の種類は「減摩剤」「極圧剤」「粘性指数向上剤」「流動性降下剤」「消泡剤」「防錆剤」「酸化防止剤」などがある。エンジンオイルと基本的にはあまり変わらない。

ギアオイルはMTの場合粘土指数で、ドライバーの受けるフィールが大きく違う。粘度が低いものはギアの入りがよく、高いものは入りのフィールに重さを感じるが静粛性が高い等のちがいがある。基本的には粘度指数の高いものの方が、保護性には優れた数値を表す。

またLSDを組んでるデフの場合、ある程度粘度指数の高いものを選んでやらないと、あっけなくデフクラッシュになってしまうケースもあるので、選び方には注意が必要になる。オイルのランクとしてはG-5以上が必要になる。

ギアオイルの劣化原因

気温の寒暖の差によってケース内に結露が発生したり、極圧を生じる部分にあったオイルがカーボン化したり、熱でせん断性が次第に失われる、ギア同士や摺動部分から出る金属粉などが大きな原因になっている。

熱と水分とカーボンがあればスラッジ化するので、劣化をする。他にも密閉されているとはいえ、完全密閉ではない部分も若干あるので空気と触れて酸化をすることも、原因の一つにはなっている。

どれが大きな要因になっているのかということは、使用状況などで大きく変わるので一概には言えない。例えばスポーツ走行を多くするユーザーだと、熱によるせん断性の低下や酸化が大きな要因になるので、ライフスパンは短くなる等、様々な理由でオイルは劣化していくことになるのだ。

劣化したオイルを放置して使い続けると、金属粉が研磨剤の役割をするためにギアの摩耗が促進される。酸化したオイルを使い続けると金属各部に影響が出たりする。また多少なりともスラッジ化している場合、スラッジが潤滑や極圧の防止に影響を与えることが出てくる。

しかし劣化を知ることはエンジンオイルよりも難しい。エンジンオイルであれば、ディップスティックを抜いてオイルの状態を見ることができる。しかし、ミッションやデフのオイルにはそれができないからだ。

交換時期の判断は

メーカーの推奨値を丸呑みしてはいけない。保証期間中、壊れなければいいというような交換サイクルなので、途中でちょっとしたフィールが悪くなることや、ちょっと変だななどということは度外視しているからだ。

人の感覚というものはかなり正確で、機械では拾えない微細なことまで判るケースが多い。しかし、その兆候があってからでは遅い可能性もあるので、エンジンオイルの交換2回に対してギアオイルの交換を1回するというような決め方をすることをおすすめしたい。

ATの場合も5万㎞だとかロングライフを謳っている。しかし、シフトショックが大きくなったり、シフトレバーをNからDに入れた時の反応が遅くなったりなどという症状には目をつぶり、ということではいけない。これがあとでトラブルのもとになっているケースも多い。

エンジンオイルを5千㎞で交換するのなら、ギアオイルは1万㎞で交換などと決めた方が無難だ。

さらにあまり気にしていないのがステアリングギアのオイルだが、これだって2万㎞に一度ぐらいは交換したほうがいい。交換すると、そのフィールの違いには驚くこともある。あくまでオイルは消耗品だということを十分理解しておくことが必要だ。

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公開日:
最終更新日:2013/11/08